226

強烈な愛国映画

愛国無罪度 100
緊迫度 100
昭五式軍装度 100
総合得点 90

日本に政変が起こる時、必ず雪が降るという。
根拠なしのヨタ話だろうが、桜田門外、西南戦争、青年将校が率いる大部隊がクーデターを起こした1936年2月26日も朝から大雪だったという。

ストレートになんら小細工することもなく226事件を決起将校らの視点で劇映画に仕上げた作品だ。1989年日本映画。

この映画は、決起した青年将校に佐野四郎(栗原中尉)だとか本木(河野寿)など使ってかなり豪華にキャスティングしていることからもうかがえるように、青年将校側にかなり肩入れした映画である。

彼らがいかに熱い想いで決起したか国を憂えていたか日本の未来を案じていたのか野心などなく純粋であったかなど、異常なほどに猛プッシュしてくるのである(笑)。いや、これ自体は美しく悲壮感漂う話ということで特に文句はない。ただし、当時の日本がどのようにやばい状況であり、決起将校たちが何をどうするつもりで天皇の重臣たちを殺害せねばならぬのか説明不足である。というか皆無。

まあ確かにかの歴史に残る駄作、「スパイゾルゲ」のように延々説明されても
おれは学校にお勉強に来てるわけじゃねえんだよ!とヅラを地面に叩きつけたくもなる(?)。この映画はこうして大胆にめんどくさい説明を省くことによって、映画が開始してすぐに将兵たちの作戦行動が始まり、スピーディーな導入に成功している。これはその他のクソッタレ日本映画にはない長所であり、日本映画の悪いところは何でもかんでも過剰に説明する、という点に尽きる(色気も洒落も全部台無しだ)のでこれは良い試みだったと思う。早い話が歴史のお勉強をするのには不向きだが映画としてはテンポが良くて観やすいということだ。

というわけなので皇道派、統制派云々もウィキペディアでもみてちょうだい。

クーデターの様子や、政府や軍の対応、顛末がややダラダラと語られており、反乱軍として正規軍に包囲されてしまっても中々失敗を認めきれずに諦められない青年将校たちの姿は潔さとは程遠いものである。しかし日本を救おうという熱い意志があればこそ簡単に死に逃げなんてしないわけで、それだけ真剣だったのだね・・と思うことができれば気にならないだろう(笑)。

まあ穢れのない愛国心を讃える風潮は今も昔も実はあんまり変わっていない。「日本の一番長い日」の畑中少佐の純粋さに胸をうたれた人ならばこの映画もきっと気に入るだろう。というかタイトルのカットインの仕方とかアレにそっくりだ。まんまじゃないか。まあ好きだが(笑)。

あと左翼史観丸出しで
楽しみに映画を観に来たのにいつの間にか説教されててビックリという状況を回避したいヒトも、この映画は心配しなくてもよいと言っておく(笑)。大丈夫だよ(笑)。

ただ・・愛国心があればいいんだ、純粋なんだというのは
中国の愛国無罪みたいだよな。なんとも幼い限りである。

だがおれはこいつらの
財閥と政治の癒着をぶったぎるという思想は大好きである。それをマジでやっちゃったのもカッコいいと思ってしまう。マジリスペクトっす。半端ねえっす。こう考えるとこの人たちはやってることも思想的背景も実はボルシェビズムっぽいのだよね。世間からは究極の右翼と思われているみたいだが(笑)。現代で226をやる奴はいないのかよ?!経団連だの何だのと・・政治と財閥は今でも癒着してやがるんだぜ?!

・・・と色々書きましたが
全てどうでもいいので本題に入ります。

おれはドイツ軍の制服をこよなく愛好する者であるが、旧日本軍の制服も好きである。その中でも
昭五式軍装は、SSの32年式に勝るとも劣らないほどかっこいい軍服だと常日頃から考えている。鳥肌実の「戦ふ最前線」とかいう写真集も昭五式軍装が表紙になっているのでつい買ってしまったものだ。

この映画はね。この
昭五式軍装が山ほどゲップが出るほど味わえる映画なのだ。なんせみんな着ているからね。しかも白だすきなんかしちゃって何だか死に装束みたいでカッコいいのだ。いかにも死ぬ覚悟はできているぜ、といわんばかりの気迫が漂ってくる。死の国の軍隊といった風情の旧日本軍の妖しいうさんくささがぷんぷん漂ってくるのである(笑)。
この映画はそのおかげで一種異様な迫力を放つ映画である。





いや〜かっこええ・・おらもヤフオクで買っちゃおうかしらん・・。

というわけで、かっちょいい軍服を着て腐った世の中に機関銃突っ込んで暴力かますというパンク魂モロだしの命知らずの男たちの物語である。鬱憤たまってるからってバイクにまたがって暴走したりアキバに突っ込んだりしてる程度じゃクソガキだぜ!!こいつらみたいに本当に決起してみやがれ!・・おれはここで見てますが。

 

 

戻る