>>戦争映画中央評議会

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エアボーン・ソルジャーズ

こういうのでいいんだよ

佳作度

100

泣ける度

100

男臭い度

100

総合得点

85


これはたまげた。無難な佳作だよ~。
佳作というか、かなりイイと思ったよ。
好きな作品です。2012年アメリカ映画。



金はかかっていないが、戦闘シーンはなかなか健闘しており、プライベートライアンちっくな乾いたリアルな戦場を描写できている。戦争映画にこの手合いが失われたらオシマイだ。

ストーリーは、イマイチ説明不足なのだが、第517空挺連隊という部隊の戦闘記録が元になっているようである。

舞台はノルマンディー戦の直後なのか、フランスである。

空挺部隊が作戦ミスでだいぶ予定降下地点より後方に降りてしまい、仲間と合流するためにドイツ軍占領下のフランスの田舎でサバイバルをするという話。シンプルで好感が持てます。

つうか、このシリーズは「Saints and Soldiers」という戦争映画シリーズの二作目で、一作目、三作目ともに全然関係ない邦題へと変換されてしまっている。どちらもうちにレビューがあるのでよければどうぞ。

極寒激戦地アルデンヌ ~西部戦線1944~

ザ・フューリー 烈火の戦場

改めてよく考えてみると、この二作目は一作目とテーマ性がかなりかぶっているようだ。監督も同じだし。しかし大昔観た一作目はなぜかあまりおれのマインドを直撃しなかったようで、適当なレビューである(笑)。申し訳ない。もう一回観るかな、、、

今作品も、主人公の空挺兵三人の中の一人は牧師さんで、彼が隊長的役割。戦場で敵を殺すことと、神の教えとの矛盾に葛藤する。

まあそれでも一作目の偽アパムよりは、しっかりエリートな空挺兵を演じており頼りがいあるしカッコいいです。まあ主人公は「タクシードライバー」のデ・ニーロみたいな髪型の生意気な空挺兵なんだが、彼が仲間を殺されたトラウマから復讐鬼と化して、ガンガンドイツ兵をぶっ殺すので、アクションはけっこう派手だ。



この監督は「プライベートライアン」が好きでしょうがないようで、オマージュを捧げるかのようなシーンもちらほら。観ればわかると思います。

「プライベートライアン」でもあった、ドイツ兵との格闘シーンも実に手に汗握る迫真のでき。こういうのは半歩なにかがズレただけでセガールみたいになってしまうから、意外と難しいんだと思うよ(笑)。

もう一人の空挺兵はデヴィッド・ボウイみたいな顔したイケメン。恋人との回想シーンが悲劇を煽り立てるいいスパイスとなっている。

このように、今回もなかなか濃い顔ぶれ。無名俳優ばかりだが、感情移入しやすかった。彼らが現地のフランスレジスタンス(「フランス内務軍F・F・I」や「マキ」がモデルか?)と順次合流しつつ、フランスの田舎村を進む。

フランスレジスタンスも違和感なく真面目に描写されており、けっこう製作者たちは勉強家なんだなあと思う。戦争映画は勉強家じゃなきゃ作れないよ、、、


また美人の狙撃主というベタなところを突いてきおって、、

フランスレジスタンスは「オラドゥール村」(参考リンク)に代表されるように、ドイツ軍とは熾烈な戦いを繰り広げていた。ドイツ兵もゲリラに容赦せず、捕まえたら全部処刑。見せしめに関係ない村人もガンガン殺し、ちょっとでもヤられたら100倍ぐらいに報復していた。レジスタンス側もひどくて、自由フランス軍や連合軍に蹴散らされたドイツ兵の落ち武者狩りみたいなことをやっていたようで、血も凍るような残忍さであった。あまりスポットが当たるところではないが、この映画でもその一端をうかがえる無情かつ象徴的シーンがあり、是非興味がある人はご覧になってください。


情け容赦ないフランスレジスタンス

で、ドイツ軍は?また英語とかしゃべっちゃうの?と独軍ファンは心配になるはずだから、しっかり書いておきますが、ドイツ軍はドイツ語です!いや~うれしい。たったこれだけのことで大分幸せな気分になれる。

ドイツ軍の描写も真面目で、戦闘シーンもまあ、ドイツ兵は弱いがまだ許せるレベル。最終的には空挺部隊もドイツ軍の戦車と正面からやりあってしまい、力尽きてしてしまう。「遠すぎた橋」のような流れだが、アレみたいにダラダラ長くなくてちょうど良い尺(90分ぐらい)である。

傷ついたドイツ兵と偽トラヴィスのアメリカ兵が小屋の中で「おれ疲れたよ」「おれも疲れた(ヒックヒック)」と泣き明かすシーンなどは涙なしにみれない。おれは単純だからこういうのに弱い。

こういうわけで、各陣営すべてにリスペクトを捧げた、誰もフ×ックしない手堅いストーリーで、オススメの戦争映画である。こういうのがなくなったら戦争映画というジャンルはオシマイだ。戦争映画ファンにこそ観てほしい佳作である。



 

 

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