空軍大戦略

実機が飛び交う映画

資料的価値度 100
娯楽度 70
ダラダラ度 70
総合得点 70

69年イギリス映画。

まんま、バトルオブブリテンを描いた映画。

見所はいくつかあって、まず登場する機体のほとんどが本物である。
スピットファイヤ、ハインケル、スツーカといった戦闘機、爆撃機の本物をかき集めてカメラの前で飛ばしてみせたのだ。よって兵器オタクは一件の価値アリである。メッサーシュミットのみラジコンであるという話で、あまりスピットファイヤとのドッグファイトが見られなかったのは残念である。戦闘シーンはたくさんあるけれども、ほとんどスピットファイアが爆撃機のハインケルを一方的に撃墜するシーンばかりなので、ちょっとアレだが、それでも本物の映像なので感動するはずである。

おれはというと、真性の兵器マニアに比べれば関心は薄い方なので(おれの専門は軍服なんで)、少々ダラダラとした映像のように感じた。特撮も年代に見合ってすごくへぼいのでこの辺は期待しないほうがいいでしょう。

もう一つの見所はドイツ兵がドイツ語を喋る。そして歴史事実にかなり生真面目といえるぐらいに忠実に描いており、バトルオブブリテンが始まってから終わるまでの流れをこれ一本で網羅できるだろう。歴史に時間に教材に使ったっていいぐらいである。

ドイツ空軍がロンドンに飛来した場合、爆撃機の護衛機であったBF109メッサーシュミット戦闘機は航続距離が短く、たったの10分程度しか戦えなかったという。このため、ドイツの航空艦隊はスピットファイヤの餌食となり、かなりの数の犠牲を出した。英空軍は600機。ドイツ空軍は2500機の航空艦隊を率いていたがついに敗れ去ったのである。

ドイツ将校も誇り高く描かれており、ドイツ軍ファンを落胆させるようなものではない。というかかっこよく描きすぎなんじゃないかと思ったぐらいである。全く悪役という風な描かれ方はしていない。個人的にロンドン大空襲をどうやるのかな、と思ったが、非常に淡々としており、むしろ英空軍がベルリンを爆撃したから報復されたという描き方をしていた。戦闘も終わりに近づくにつれ、両軍の厭戦気分が徐々に高まっていく演出には舌を巻いた。戦いが始まる前はドイツ軍は自信たっぷり、英軍は不安でいっぱいという感じだったが、戦闘が激しくなるにつれ、劣勢のドイツ軍を見てゲーリングは怒り狂い、優勢なはずのイギリス軍もやってられないという空気を押し出していた。

やはり戦争は短期間でささっと片付けねば、後は悪くなる一方なのですね。こういう空戦娯楽映画でその辺を感じさせられたのは驚きでした。いい映画だと思います。これという穴が見つかりません。しかしやはり兵器オタク以外はやや退屈に感じるかもしれない。でも実際の戦争もこれぐらいダラダラといつまでも続いていくものだったのかもしれない。いつまでも刺激的でいてくれるものでもないのでしょうね。

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