>>戦争映画中央評議会

 

バトル・オブ・ワルシャワ~大機動作戦~

すごい映画



大作戦争映画度

100

軍服美しい度

100

ドラマチック度

100

総合得点

85


ハッタリに満ちたこの大味なタイトル。ウンザリだ。
ああまたか。おれはため息をついた。

またデタラメなタイトルと適当なジャケ写で釣ろうとしてるんやろ?もうわかってる。もうわかってる。何も言わなくていい。もうおれもその道のプロになりつつある。あえて騙されようやないか。なに?またちょこっとだけドイツ軍のポーランド侵攻のシーンがあったりするの?あとはダラダラしてるんやろ?

ところがである。



これはなんと、ロシア革命直後のソビエトと、積年の侵攻により失われた領土の奪還を目指すポーランド軍との本格戦争映画である。やたらと金がかかっており、ポーランド政府の支援を存分に浴びた作品であることは確かだろう。愛国映画ではあるが、物語もテンポよく、無駄なシーンを極力省き、東欧中欧映画特有のモッタリ感を最小限にした傑作であった。

なんだこれ。。なぜこんなできの良い映画を劇場公開しないのだ?もっと宣伝しろよ。。

まあ、しょうがないかもしれない。

だって興味あるか?
ピウスツキとか。レーニンとかトロツキーとかトハチェフスキーとか。いや、めっちゃ興味あるわ!いや〜共産趣味者には聞いとらんで、、、
この時代この戦いにほとんどの日本人が興味がないのは間違いない。

でもここも面白い時代だよなあ。とおれもこの映画を観ながら考えた。単純に映画美術的にもメチャクチャ珍しいシーンが山ほどある。そもそもこの時代のポーランド軍やソ連軍の制服、クバーニ・コサックなどの制服も美しく再現されており、軍服マニアにはたまらないんだよね〜。まだ軍服が派手で華美な時代の名残が残ってるんだよね〜。もう少し進むとくすんだ茶色とか、草色とか迷彩とかさ〜。軍服が地味で目立たない時代がくるのだ。歩兵が目立ってどうすんの!という時代が。でも昔は敵を威圧することも重要な戦術で、軍服はカッコよく派手で力強く美しいものだった。。日露戦争のころの日本軍の軍服はたいそう美しい。後年の乞食みたいな軍服が嘘のようだ。機能美とエレガントが同居している。この時代のポーランドやソ連もそうなのだ。機能美とエレガントの同居。とにかく軍服が力強く美しい。。そんな良き時代の名残が画面にいかんなく再現されているのだ。。もう感動して泣けるほど最高である。ぜひみてほしい。

嫌ね。軍オタって。軍服なんてどうでもいいわょ。
肝心の映画はどうなのかしら?!

ったく、慌てんなよ。慌てるオ×ニーザー×ン少ないだ。この映画はストーリーも無駄がなくて素晴らしいの!

冒頭、レーニンとトロツキーがすっごい悪い感じで革命を全世界に波及させるんじゃい!と悪だくみしているところから始まる。この戦争を始めたのはまるでソ連であるかのように。本当はポーランドが奇襲をかけてキエフをを占領してしまうんやけどな。まあ、そこは愛国映画だし、、

そんなわけで1920年5月、現ウクライナの首都キエフはポーランド軍の手に落ちた。しかしまるでヒトラーもダメだった歴史を予見するかのように、このあたりからソ連軍の反攻が異常に激しくなってくるのだ。

赤軍西部本面軍司令に就任したのは赤いナポレオンの異名を持つ若き猛将トハチェフスキー(なんと弱冠27歳!)だ。トハチェフスキー率いる第四軍は、圧倒的な強さとスピードでポーランド軍を蹴散らしていき、8月にはワルシャワから15キロの地点にまで迫る。だが、1000キロもの急行軍で、西部本面軍は疲弊しきっており、また素早い占領を焦りすぎたがために、西部本面軍主力はワルシャワの北に集中していた。東にはモギリョフ集団という脆弱な部隊が長すぎる防衛ラインを担っていたのだが、ポーランド軍総司令官のピウスツキは、第一〜第五軍の機動戦力(騎兵)を秘密裏に抽出し、このモギリョフ集団に対して大反攻を開始する。

この新たな機動部隊は、ダラリと伸び切ったソ連軍の横腹を、ほぼ抵抗も受けずに蹂躙し、トハチェフスキーの西部本面軍は離散させられ、撤退することとなる。絶体絶命の危機において、祖国がバッチリしめてくれた!こんなドラマチックな歴史は狙っても作れない。ポーランドが金をかけるのは当然である。

この映画はそんなわけで超金がかかっている。

戦闘シーンはこの時代らしく騎兵や砲兵、ライフル銃兵、豆戦車や装甲車、わずかに飛行機が登場。時代遅れと笑うなかれ!日本はこれに毛が生えた程度の装備でアメリカと戦ったんだよ(笑)。

騎兵の突撃シーンなんて、言葉もないほどすごい。馬とかエキストラとか何人用意したの、、と唖然とするほどである。すごすぎる。CGなのかこれ?(笑)とにかく観てほしい(笑)。

砲によってぶっ飛ばされる人間の姿、無残な白兵戦、ゴア描写などもクオリティが高く、紛れもなく「プライベートライアン以降」の戦争映画。時代は古くても映像はどう考えても最先端(笑)。これはみるべきだよ、、、

こんな華々しい歴史があれば、ポーランド騎兵が恐れられるのは当然だよなあ、、ドイツ軍もポーランド侵攻の時には、戦車いっぱいあったにもかかわらず騎兵にビビってたらしいもんな。

この映画は、ソ連を悪に描いているから、必然だがチェーカーでてくんだよねえ。キチガイ入った面構えのチェキストが同志ジェルジンスキーは!同志ジェルジンスキーは!とかいいながら、簡単に人を殺すわけですよ。もう。簡単に。この極東の島国的に超どうでもいいキャラクターや設定がひたすら無益なリアリティを発散させており、ああ!平常運転だねえ!とニコニコしてしまいます。私も初期チェーカーからNKVDまでの秘密警察史をしたためたこともありました。だから言えるというわけではないが、この映画のチェーカーは妥当な表現だと思います。

というわけで色々と見所豊富な映画なので、戦争映画好きな方は是非チェックしてみてくだい。レーニンやトロツキーを一切遠慮なしにキチ×イ扱いしているところなどクススッと微笑ましいです。ポーランドのロシアにヤられまくりの歴史を考えればこれは仕方がないのです。

この時代が好きでこの映画観てないなんてうそだよ~。



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