ベルリン陥落1945

ヒトラーカプット!

レイプ度 100
気の毒度 100
やられまくり度 100
総合得点 70

2008年ドイツ・ポーランド映画。

「ベルリン陥落1945」とは、アントニー・ヴィーバーの著作に全く同じタイトルのものがある。

ベルリン防衛戦について独ソ双方の視点で緻密にエピソードを積み重ねて書かれた本である。その細かさには圧倒されることうけあいである。

この映画はタイトル全く同じだから、この本の映画化なんか?と間違える人がいても変ではないと思うが、特に関連はない。
「ベルリン終戦日記 ある女性の記録」をもとにしている。だがヴィーバーの本がソ連軍の市民に対する暴行・強姦をたっぷり描いていた点において画期的だったことを思えば、この映画もその点で画期的だといえる。

ベルリン防衛戦といえば、「ヒトラー最期の12日間」が最もキャッチーで記憶に新しいだろう。あの映画は邦題はこんなかもしれないが、原題は
「der untergang」="滅亡"である。つまりベルリンとナチスドイツの最期を描いているはずの映画。だが、ソ連軍による市民に対する暴行は全く描かれなかった。砲撃で死ぬ市民はたくさん描かれたが、ベルリンで数十万人のドイツ女性がレイプされたという史実を完全に無視した映画である。なぜか?遠慮したのか?真相はわからない。

だが、今回紹介するこの映画、レイプがたっぷり描かれている。いや、
レイプしか描かれていないと言うのが正しいだろう(笑)。なんとも言えない。これはこれでなんとも言えないですわ。。どうしてドイツ人はこう、やることが極端なのでしょうか?

というわけで娯楽性は一切ない映画で、観てて楽しい気分には到底なれない。スカッとするような感じもなし。エロいかと言われれば全くエロくない。やはり題材が重すぎて娯楽にはできないようである。当たり前か…。

「ヒトラー最期の12日間」はソ連軍が全く顔の見えない敵役だった。それはそれでそんな得体のしれないのがだんだん近づいてくる恐怖と、それに滅ぼされるのを待つしかないドイツ側のヤケクソな感じをしっかりと描いているので好きな作品だ。

この映画はその点、ソ連軍が実に豊富にイキイキと、細かく活写されている。ソ連軍が婦女子をかき集めてどのような流れで強姦するのかその手口、そして被害者はどんな思いでいたか、そして強姦されたあとの被害者と加害者の人間関係など、タブーをこえて描かれている。女は生存するため強いオスに従属する。強いオスの所有物になることで他の有象無象から身を守る。女はそうやって原始の時代を生き抜いてきた。史上例をみない悲惨な殺戮戦は男と女を、人間を原始の姿にひき戻してしまった。そのきれいごと抜きの
実利のみを追求する人間の姿は、これこそが人間であると感動してしまう。これこそが人間の本性だ。

だが普通に考えて、この映画を観て楽しもうというのは不可能である。ベルリン陥落の際に起こった悲劇と人間の真の姿に関心を持つ一部の人間以外は観る必要はないだろう。

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