>>戦争映画中央評議会

ブレスト要塞大攻防戦

微妙すぎ つうかだめ

 

ダラダラ度

100

英雄度

50

ドイツ軍卑怯度

100

総合得点

20


2010年のロシア映画。

パウル・カレルで胸熱なごく一般的な戦記ファンからすればごく基本な戦いがブレスト要塞攻囲戦。にもかかわらず映画化は初?しかもパウル・カレルの「バルバロッサ作戦」を読んでグッと来たという人ほどガッカリするできとなっている。ガッカリ。。

 

冒頭からしてクソだるい。軍楽隊のガキが主人公らしく淡い恋の風景とか、開戦直前の平和な日常が描かれる。ダンスのシーンとか、ダルっ

やっと戦争がはじまりましたが、この空爆のシーンも典型的なロシア映画。火薬の量は景気がいいが現実味皆無。特に逃げ回っている人々の行動にリアリティがなく、まるで箱庭ギャングゲームのNPCのようだ。爆撃されるために走り回っているかのよう。軽薄だ。

やっとドイツ軍が現れましたが、通り一遍中身空っぽの戦闘シーンをはい、お仕事お仕事、と並べているかのよう。中身スカッスカである。

唯一笑えたのは、要塞の門から市民と兵隊がみんなでわーっと出てきて逃げようとするのだが、ドイツ軍の機関銃が待ち受けていて、皆殺し(笑)。撃たれまくってるのに機関銃に向かって殺到するロシア人(笑)。引き返せよ(笑)。

以上のように、ドイツ軍はとにかく卑劣で市民に問答無用で牙をむく野蛮人として描かれている。市民を人間の盾にして利用しようとするシーンもあり。まるで「最愛の大地」のキチガイセルビア軍のように。これは言うまでもなく戦時国際法違反で、ブレスト要塞攻囲戦が始まった時期を思えば(開戦初日である)、なぜそんなにもう余裕がないの?と、悪いドイツ軍ファン第一人者のワタクシでさえかなりの違和感を感じた。これは露骨な反独プロパガンダと思って正解だ。別にプロパガンダしてもいいけど、もう少し違和感なく溶け込ませてほしい。

まあそんなこんなでも色々突っ込み入れさせてもらえれば楽しく観れたと思うが、ロシア映画界の国技必殺グダグダダラダラの人間ドラマが無駄に長い!似たような別れのシーンがやたら盛り込まれており、うんざりさせられる。

しかも戦闘シーンも異常なまでに白兵戦を好む姿勢が露骨で、テクノロジーでは負けているけど、ステゴロやらせたら無敵のおれたちというデタラメな主張が色濃く盛り込まれており、これはこないだ観た「Starlingrad2013」もほぼ同じアチチュード。これは近年のロシア戦争映画すべてが陥っている深刻なジレンマで、即刻改善を望む。こんな合戦シーンが観たいわけじゃねえんだよ、、、

ドイツ軍が嫌いで悪く描きたいのはわかったけど、野戦の真っ最中でいきなり女を犯し始める兵士がいたり(それもなぜか二人だけ 他はちゃんと仕事している)、気持ちはわかったけど行動原理が謎すぎて宣伝が下手くそだなあ、としか言えない。

そもそもゼロ年代の頃、ロシアは割とソビエトを批判的に描くことが多かった気がするが、最近はソビエトも=ロシアとなっているのか、まったく意に介すことなく前世紀並みの稚拙なプロパガンダをぶちかまされることが増えた。これはロシア戦争映画界の危機と言っても過言ではない。映画を観ていると余裕がないわねえ、と心配になる。大丈夫か、ロシア(笑)。

負け戦を描いているにしては、戦闘シーンでロシア兵がナイフ一本で無双しまくるのは本当に勘弁してほしいと思う。ボロボロの野戦病院とか爆撃された建物の残骸とかでなんとか負けている空気を演出しようとしているが、戦闘シーンではついついロシア兵を活躍させてしまい、ドイツ兵を卑劣に描いてしまう。どうしてこうなったのか、、

おれが読んだ「バルバロッサ作戦」では、ブレスト要塞でのロシア兵はもっともっと壮絶で、圧倒されながら読み進めたものだ。そんなこと言っても仕方がないが、この映画は完全に失敗。超期待はずれであった。全体通しても2時間18分もの間、異常にダラダラしており、おれもいつしか真剣に観るのをやめていた。

 

 

 

 

 

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