ブリキの太鼓

この人ダミアンでしょ

いかがわしさ度

100

悪意度

100

カルト度

100

総合得点

85


20世紀初頭のポーランド、それもダンツィヒを舞台にしています。
ここで生まれた主人公の少年オスカル君のお話です。



オスカル君は生まれたときから老成した感性を持っているのだが、セックスばかりの大人にゲンナリし、3歳で成長を止めることにし、叫ぶことによってガラスを割るという超能力を開発する。(理由はどうあれ本当にこうなる)

本当に成長は止まり、母からもらったブリキの太鼓を肌身離さず持ち歩き、気に入らないことがあったらキーー!と叫んでガラスを割って大人を困らせる。このキー!はほんとに気持ち悪いし、真剣に不快。
そんな調子で20歳をこえても3歳の体のまま生き続ける。

ダンツィヒはポーランドの領土だが、歴史上ドイツ領であった時代が長く、ドイツ民族が多く住んでいる。よってナチスはポーランド侵攻を、ダンツィヒ奪還を目的にしていた。(無論結局ソ連と分割してポーランド全土を奪ったわけだが)
このような土地で次第に現れるナチスの影と、大人の醜さを並行して描くことによって、悪趣味で牧歌的な世界観を描く。

この映画ははっきり言って地味で退屈だが、
いかがわしさに満ちている。
これに出てくる大人は皆醜い。まず母親からして息子の目の前で従兄弟と不倫して見せるし、親父はオスカルの初恋の相手をファックして子供をはらませてしまう。

ではオスカルはどうかというと、子供という立場を利用して、女の子にエロいことしたりしまいにはどさくさにまぎれてファックしてしまう。また、ドイツ軍にガラスを割る超能力を見せたりして稼ぎ、割とけっこうな生活を送っており、このガキが一番悪意に満ちた存在である。

オスカルは親父と初恋の女性との間にできた子供を自分の子供と断定し、この実の親父をも謀殺する。そして親父の棺おけ見ながら、そろそろ成長するか・・と思い直して・・それで映画は終わる。

何なのかよくわからん話だが、いかがわしい。とかくファックが生々しいし、気に食わないことがあればすぐ叫んでガラスを割るオスカルを見てるとイライラするし、
誰とでも寝るとんでもない女しか出てこないので人間不信になるかも。馬の頭を使って鰻漁をするシーンなどはそれなりに不快な映像だと思うし、オスカルの母親が自らの従兄弟と不倫して妊娠してしまい、罪の意識から発狂して魚ばかり頭から丸かじりするシーンなどは評判も悪い。母親が狂ってしまった一番の理由は我が子オスカルではないだろうか。またこんなガキが生まれたらと思うとやってられなかったのでは。またいつもオスカルを可愛がってくれる初恋の女性だが、親父とのファックで中々イけないことが不満でイライラしてるのを、オスカル君が慰めようとしたら(もち下心アリ)、「余計なお世話よ、この気色悪い小人のガキ!精神病院にでも行ったらどう?!」これは印象的なシーンで、普段はとても優しくて可愛がってくれるのよこの女性。しかしちょっとしたことで本音丸出し。すげえよ。これこそ人間。余裕のあるときだけなんだよなあ優しいのは。

同じ小人仲間のサーカス団と、ドイツ軍の前線を慰問するのだが、そこで出会った身長120センチぐらいで妙に乳のはれた小人の女とのベットシーンまである。映画後半に行くにつれ
、このオスカル役の子役が子供なのか、本当に小人なのかわからなくなってくる。

映画全体を通してなんとなく不快になる演出が施されている。それをもってこの映画をカルトと呼ぶ人もいる。おれも同感だ。子供の冷めた視点で大人を見ているつもりのオスカル君。しかし子供の立場を利用して好き放題やるこいつが一番大人顔負けの狡猾さを持っていて腹立たしい。

このオスカル君がとにかく強烈で、地味な映画なので余計こいつの輪郭がくっきり見えやすい。おれは観賞中、こいつが
「オーメン」のダミアンに見えてしょうがなかった。かなりキャラはかぶっている。

 

 

 

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