クロッシング

北朝鮮人民の不幸話

飢餓度 50
貧困度 80
強制収容所度 90
総合得点 65

2008年韓国映画。


貧しいながらも幸せな家庭だが・・

北朝鮮の貧乏な労働者が、残酷な政治体制の下でどのように苦しめられていくのか、その実況中継をジックリネットリみせてもらえる映画である。あまりありそうでなかったな、こういうの。

子供一人の貧しいながらも幸せな家庭。夫は地元のサッカー選手。貧しいながらもまずまずの生活だ。犬も一匹いる。子供にはサッカーを教え、妻はよく家事をやってくれる。

だが、ちょっとしたほころびから、家族は離れ離れに。妻が結核になり、薬もなにもないので夫は中国に行って稼いで買ってこようと家族を置いて単身家を出る。

だが、中国の公安当局に追い詰められ、奇妙な成り行きで韓国へ。いわゆる脱北だ。薬はあっさり韓国で手に入ったが帰りたくても帰れない。帰れば死ぬだけである。家族を救いたくてもできない男の慟哭。そこに感動できればウェットな演出で泣かせるこの映画は、感動大作ということになるだろう。

中盤、北朝鮮の悪夢のごとき強制収用所の様子が描かれている。不潔だし意味もなくどつかれるし、ネズミあり虐待あり飢餓あり思想教育ありといったあんばい。

特に印象に残ったのは、中国人の子供を身ごもって強制送還された、朝鮮人女性だが、臨月を迎えた大きなお腹で劣悪な収容所にぶち込まれたのだろう。看守は
「その雑種をどうするつもりだこの野郎!」と腹をぶん殴るの。なんて直球な暴力…唖然としました。もはや社会主義などどこにも存在せず、歪んだ純血主義に支配された狂気の閉鎖国家の一端が伺えるシーンだった。

その雑種をどうすんだおらー?!

等身大のただの人である親父は努力して家族を救おうとするのだが…結末は皆さん自身の目で確かめて欲しい。

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