ブラッド・ダイヤモンド

黒人紛争映画の傑作

虐殺度 100
少年兵度 100
暗黒の大地度 100
総合得点 90

これはハリウッドが放つ大作戦争映画の傑作です。めちゃくちゃ楽しめました。極上のエンターティメントでありながらシエラレオネの紛争ダイヤの現状を告発する社会派映画でもあります。ジェニファー・コネリーやレオナルド・ディカプリオの演技も安定感があり素晴らしい。
ダニー・アーチャー(ディカプリオ)は元南アフリカ共和国軍の兵士で傭兵。RUFや政府軍に武器を売って稼ごうとしている。ビジネス優先の拝金主義者だ。マディー(ジェニファー・コネリー)は紛争ダイヤと大企業の黒い関係を明らかにしようと理想に燃えるジャーナリストの役です。

シエラレオネではダイヤをめぐって紛争が絶えない。反政府軍RUF(革命統一戦線)にある平和な村が襲撃を受け、ソロモン・バンディーは家族を逃がすためRUFに捕らえられる。そこでダイヤ採掘の強制労働に駆り出されるが、そこで特大のピンクダイヤの原石を見つけてしまう。ダイヤを隠したソロモンに各勢力が交渉に来る。ダイヤのありかを聞き出すために。ソロモンは離れ離れになった家族を探すためにこの危険な交渉に応じることに決めるが・・


ダイヤをネコババすると殺されちゃいます。こわー

という内容です。
アーチャーはダイヤを手に入れるためにバンディーを利用しようとする。バンディーは家族を探すために白人のコネが必要であり、ダイヤのありかを知っていることを武器にアーチャーと交渉する。お互いが利害のために利用しあうだけの見せかけのパートナーシップだが、幾たびの死線をこえるにつれ次第に信頼関係が築かれて行く。純朴な黒人と拝金主義の白人。このある意味ではステレオタイプな白人と黒人の友情が胸を打つ映画である。

加えて素晴らしいのはRUFの極悪さ。正に地獄の軍隊だ。徹底的で容赦ない虐殺に唖然とする。村を襲撃し、動ける男を拉致して強制労働に駆り出し、女や年よりはぶっ殺し、子供は拉致して薬や暴力で洗脳し、死を恐れぬ兵士とする。政府軍との戦闘ではこれら子供兵士もAKを乱射するシーンが山と盛り込まれている。正に救いがたいアフリカの現状・・これら少年兵の闇に迫った黒人紛争映画では「ジョニー・マッドドッグ」がその頂点といえると思うが、この映画はその走りだったとも言える。こっちの方が金がかかっているからドラマとしてもおもしろい。より万人向けであると言える。

子供は拉致されて兵士に・・(実際の写真)

このように命の値段が砂粒のように粗末なアフリカ。神はとっくにこの地を見捨てている・・そう考えるアーチャーは、この大地から逃げ出したい。その逃亡資金に是非ピンクダイヤが欲しいわけだ。ただの拝金主義だと思われていたアーチャーの切実な想いが胸を打つ。命を賭してダイヤを求めてRUFの領域に潜入するアーチャーの背中は悲壮感が漂い非常にかっこよい。マディーはド派手なことできないからそんなアーチャーとソロモンを見守るしかない。死ぬ可能性が高いアーチャーを送り出すマディーの悲しげな瞳は大変美しい。これはジェニファー・コネリーでないと考えられない素晴らしいキャスト。

ラストも悲しいが希望を感じさせる。バンディーの家族への想い、執念が実を結び、我々にそうそうダイヤモンドなんて贅沢品を買う必要はない、その欲望が神に見捨てられた大地に更なる流血と悲劇をはびこらせる結果になることを提示して終わる。ハリウッド映画の集大成とも言える名作だと思います。映画の持つ力を実感できる傑作です。


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