独立愚連隊西へ

ぐれんた〜〜〜い!ウェイ!!

男臭い 100
浪漫 100
ペキンパーっぽい度 100
総合得点 95

岡本喜八の「独立愚連隊」の続編だ。60年日本映画。

続編といっても前作とはストーリーに関連やつながりは全くなく、主要キャストがほぼ同じというのもわざとなのか監督が同じ俳優ばかり使う癖があるだけなのか、、、よくわからないがとにかく前作を観ていなくても全く関係なく本作を楽しむことができるはずだ。

つうか、ペキンパーはさあ、この作品にすごく影響を受けたんじゃないのかなあ、、、
完全に推測だが偶然というには「戦争のはらわた」にストーリーが似すぎているしテーマもほぼ同じと言っていいだろう。

膠着を続ける北支戦線で、八路軍の攻勢により聯隊が消息を絶った、、この全滅した聯隊の旗を回収するために日本軍と八路軍の駆け引きが始まる。

聯隊旗回収に数々の部隊が送り込まれたが誰一人生きて帰ってこない中、独立愚連隊と呼ばれる問題のあるやさぐれ兵士ばかりかき集めた鼻つまみの小隊に白羽の矢が。彼らはもともと誤って戦死広報に名前が載ってしまったばかりに国にも帰れず常に危険な任務に送り込まれていたのだった。だが強運かつ腕っこきで誰一人死なずに意気軒昂。今回も危険な聯隊旗回収のため送り込まれる。

当時の日本軍では聯隊旗はたかが旗といっても、聯隊そのものを表す重要なアイテムである以上に、天皇より与えられた天皇の分身として大変丁重に扱われていたのであった。天皇の分身をまさか中国兵に渡すわけにはいかないだろう。たかがぼろきれみたいな旗に両軍が血眼になるのはこうした理由がある。

とはいえ、どんな神聖な意味付けがなされていたにせよ、たかが布きれにな。。。なんかこういうの似ているでしょう。「戦争のはらわた」の鉄十字章の扱いに。名誉だか何だか知らないが、そんなもんで人の命が鴻毛の軽きに扱われる、、、なんと無益なのか。この映画は一見明るくコメディタッチにも見える軽快な語り口で描かれているが、根底にあるのは体制批判、軍批判、そして反戦のメッセージである。馬鹿馬鹿しい映画のようでいて最後には無言になる、そんな映画です。

「戦争のはらわた」との類似点はこれだけではありません。
愚連隊の指揮官、左文字少尉のカリスマ性はマイヤー少尉を連想させるし、佐藤允演じる軍曹はシュタイナーを連想させる。名誉欲に取りつかれて軍旗奪還の手柄を独り占めにしようとする曹長はシュトランスキー大尉を思わせる(軽機関銃の手入れの仕方がわからないという無能さを表すシーンもあり)。敵国人の子供を保護して八路軍に返そうとするシーンもあるし、水浴び中の八路の女から服を盗むシーン、よく似たシーンが「戦争のはらわた」にもありましたよね。

ちょっと偶然というには似すぎてやしないか?まあワタクシの主観に過ぎず、ペキンパーがこれをパクったという証拠があるわけではありませんが。

まあとにかく「戦争のはらわた」に勝るとも劣らぬ男臭くてアナーキーで暴力的で血の匂いに満ちているのに、でもこれは反戦映画だよなと断言できる素晴らしい作品で、ワタクシの中では邦画戦争映画の金字塔としておススメしたいなと思っている。特に実際の戦場の空気を演出することにかけては神がかっており、八路軍をパーロと言ったり、衛生兵をアカチンと呼んだり、この辺の軍隊用語?が一役かっているように思う。

演技に関して、佐藤允も相変わらずの存在感ですごくカッコいいのだが、一番グッとくるのは左文字少尉演じる加山雄三だよね。クレバーでクールで度胸もあって義侠心もあって部下を死ぬほど大事にする男だ。神話的にカッコいい。現実味はないがシュタイナーに勝るとも劣らないほどカッコいいのである。

左:加山雄三
右:佐藤允


敵たる八路軍とは軍旗をめぐって血みどろの戦いを繰り広げるのだが、指揮官と心を通わせるシーンもある。これはなかなか粋なシーンでニヤリとせずにはいられない。敵同士とはいえ最前線の男たち同士相通ずるものがあるわけである。

この映画、中国との戦争に妙なごめんなさい的空気がなく、自然に戦争しているのが素晴らしいと思ってしまう。日本の兵隊さんも慰安婦には鼻を伸ばすし、八路の女兵士のケツみて目の色変えて追いかけ回す姿には大爆笑だ。飾り気がなさすぎる。かっこつけていないのがかっこいい。これは前作にも言えたことなのだが、現代の戦争映画のような妙なしがらみや不自然にかっこつけた感じがなく、キャラクターが活き活きとしている。活き活きとしていながらも、超くだらないことに必死で命をかける馬鹿な男たちの姿にただただ、たぎるのである。




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