>>戦争映画中央評議会

ドローンオブウォー

無人爆撃機の悲哀

 

ボク嫌度

100

ボク鬱度

100

ボク飛びたい度

100

総合得点

75


2014年のアメリカ映画。

アフガニスタンで無人爆撃機を遠隔操作するパイロットの悲哀を描いた映画だ。

原題は「GOOD KILL」なんだけど、邦題も”グッドキル”で良かったんじゃねえかなあ、、、なんとかかんとか”ウォー”ってすると、すごく激安な戦争映画を連想するので微妙だよな。タイトルだけでどんな映画かわかるようにしないと売れないんだ!という主張は理解するが、こんな映画何をどうしたって日本じゃ売れねえよ。。。観客のレベルがクソ低いんだもの。。

 

 

だいたいアフガニスタンだなんて、そんな地の果てで行われている戦争なんかに、日本人の大部分は全然興味ないだろう。アフガニスタン?どこそれ?アフリカ?みたいな人がいっぱいいるもんな(偏見)。

 

これは、邦題でも強調しているように、結局は無人爆撃機を使用したアメリカ空軍の作戦のさわりの部分をエモーショナルに描いた映画で、根底に流れるのは、こんな卑怯な兵器で安全圏から悠々と爆撃かます世界帝国の虚飾に満ちた姿、それに対するアンチテーゼと言ったところだろうか。

主人公は、もともと本当のパイロットだったようなのだが、今は、といえばエックスボックス上手い奴らをかき集めた無人爆撃軍団の一員だ。

アメリカ本国のコンソールセンターから、遥か彼方のアフガニスタンの様子をモニターで眺め、ビデオゲームのように標的に爆撃かまして「グッドキル」するという勇ましさもかっこよさも微塵もない戦争。「ガタカ」というディストピアを描いたアンドリュー・ニコルが好みそうな素材である。

主人公のイーサン・ホークはしけたツラで、イヤイヤながらも毎日「グッドキル」する。こんな任務は大嫌い。安全圏から自分の身を危険にさらすこともなく、一方的にいきなり爆弾落として死んだ人間の数を戦果として記録するのだ。うんざりしそうである。でも彼は愚痴りながらもきっちり仕事をする。命令に服従するプロの軍人だからである。イヤイヤやっているのだが、皮肉にも殺しの手管はどんどん上達して行く。そんな自分にまたまたウンザリ。ため息ばかりの毎日である。

毎日夜には仕事が終わり、週休2日?ぐらいもらっているようで、休暇と仕事もキッチリ分かれている。家に帰れば妻もいるし可愛い子供たちにも会える。しかしイーサン・ホークの気持ちは晴れない。酒の量は増える一方だ。戦場にいたころはあれほど情熱的に求め会った妻とはセックスレスに。この妻がまた異常にセクシーで、これ相手に勃たないなんて、異常なんじゃねえか?!と観客に思わせる効果的演出だ(笑)。まあ、確かに妻とセックスするのが厳しいのはわかります(真顔)。

モニターに映る標的を、殺すか生かすか、まるで神のように決定し、ソドムとゴモラを滅ぼすかの如く雷を落とす。本当にムカつく連中である。こんなもんに殺されたくないわ。地雷踏んだ方がまだ納得できる。無人爆撃機は国際法違反にすべきである。

後半、イカれCIAの指揮下に入ってがんがん今まで見過ごしてたような標的を良民もろとも「グッドキル」する無人爆撃軍団。主人公の精神は更に追い詰められるが、同僚はイケイケで「アメリカ人の命を守るためにテロリストを殺すのはいいことだしぃ。多少の犠牲はやむを得ないしぃ」と非常に冷淡。こういう時代では、優秀なのはむしろこの手の連中なのだろう、、、

このCIAがとにかくイカれていて、どこぞのCIA宣伝映画とは異なり、はっきり悪役として描かれているのは良いと思う。CIAが適当な仕事しなければイラク戦争自体起こらなかった可能性もある、と言われている。CIAをヒロイックに描こうだなんて、これ以上鼻白むことはない。

こんなおかしな戦争はみたことがない。まったくつまらない。浪漫もクソもあったもんではない。こんな戦争が主流になったら、戦争映画というジャンル自体が、過去の遺物ということになるだろう。

映画自体は平坦で淡々とした演出で、大変地味だが、完全に機械化された戦場がもたらす、ゾッとするような緊張感を味わうことができる良作だ。

 

 

 

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