外事警察 その男に騙されるな

骨太なインテリジェンス映画

化かしあい度 100
騙しあい度 100
スリリング度 100
総合得点 85


ボクはドラマ版放映当時は何だかかなりこれにはまった記憶があるので映画も有無を言わさず観に行った。ドラマ版はじっくり長尺でみせてもらえるのに、毎度毎度スリリングでキャラも立っているし好きです。DVDがクソ高いのが腐れNHK体質を如実に現していますが、ドラマ自体は最高級の出来です。youtubeやveohで観ましょう(笑)。

ドラマ同様のクオリティをクソ日本映画界が実践できるのだろうか?またぞろアイドル使ったり露骨に商標にまみれた醜悪な映画を作るのではないかと心配であった。そもそもドラマ版のラストで住本は死んだわけではなかったのか・・?まぁ死んだとは誰も言ってなかったかもしれないが・・(笑)。

結論から申せばこの映画は合格点を上げられるレベルであった。ドラマ版で住本が刺される意味も解明されます(笑)。
おもしろかったよ!すごくスリリングでよかったです!映画自体は2時間半ぐらいあるのでけっこう長いのですが、だれずにずっと緊迫感を保ちつつラストまで疾走する感じはすごく良いです。

ストーリーの中核も肝心なところが不透明なままだったり、どんでん返しが何回も起こったり、伏線を撒きつつ適度なテンポでうまいこと丁寧に回収してくれますので非常に観客のことを考えて親切に作られた映画だなあと感じました。

ストーリー自体はありふれているし、何年も前から使い古されたプロットだと思う。しかしかのクソ北朝鮮が核実験をマジに成功させた昨今において、日本有事をテーマに緊張感を新たにして観賞に臨むことが出来るわけだ・・つまりまた半島がらみのインテリジェンス映画なのだ(笑)。

クソ北朝鮮からウランが流出して、どうやら日本にあるらしい。これがテロリストの手に渡るのを阻止してやるぜという王道。

またかよ!と思わずに是非みて欲しい。確かに「宣戦布告」だの「亡国のイージス」だの「桜坂満太郎」(笑)だのしつこいぐらい半島がらみの日本有事ドラマは使い古されている。しかしどれもこれも中途半端な出来であった。

しかしこれはワタベアツロウ演じる住本主任が強烈なキャラクター性を発揮しており、任務(国益)のために手段を選ばぬ汚い公安デカを好演している(笑)。日本映画・ドラマ界でこういうダークヒーローは珍しいだろう。とにかく汚いのである(笑)。そして冷血・・「地雷震」という漫画の飯田刑事に似ているが、アレのように銃をぶっ放して世治しするわけではないから安心して欲しい(笑)。

外事警察の手口は賄賂、盗聴、盗撮、尾行、潜入捜査、おとり捜査、脅しなど。違法すれすれというか違法なものばかりなわけだが(笑)、一番このシリーズでプッシュされている「手段」は協力者という存在。

協力者は要するに、尾行対象の身辺にいる普通の民間人。これを徹底的に生まれから育ち、性格、趣味から何から全部調べ上げて身分を偽って捜査官が近づき、金と甘言、時には脅し・恫喝を含めて捜査に協力させる。住本はこの協力者を作り上げる天才で、ヒトの心の奥の奥まで巧みに侵入し、欲望や感情を引き出し、大量に金を使って取り込み、容赦なく使い潰す。しかし任務中の協力者に対し心的にも物的にも援助を惜しまず、最終的には家族にも似た信頼関係を構築していく。悪魔は優しいんだぜ・・というのを地でいくプロフェッショナルである。

まあこの協力者を取り込んでいく過程は、ドラマ版のほうがじっくりねっとり丁寧にみせてくれておもしろい。この映画ではその辺りは割りとあっさりしている。尺を考えれば仕方ないだろう。

つまるところこのシリーズは外事課の住本班というプロフェッショナル集団が、最新のテクノロジーと日本警察の伝統的な卑劣捜査を用いて、悪いテロリストを捕まえるという、その過程を楽しむ映画であり、ストーリーは北朝鮮だが、北朝鮮を使う必然性はほとんどない。流行に乗っかっただけだろう(笑)。これは断言できる。

とは言え今回のストーリーは映画らしく、スケールがでかい。

朝鮮からウランが流出した背景にはどうやら在日2世のとある原子力技術の科学者が関与しているらしい。彼がウランの場所を知っているとかぎつけた住本が、彼の日本に残す家族の存在をちらつかせながら接近し、諜報活動が始まっていく。話は韓国の諜報部と日本の公安、北朝鮮の工作員とその近辺にいる日本人女性などを絡めながらグローバリズムに展開する・・

それぞれの人物が内に秘めている想いは実にミニマムで個人的なことだが、個人の意志一つで大量殺戮が可能となった現代の恐ろしさを知ることができる良作でもあったと思います。ドラマ版観てみて気に入ったら映画もそれなりに気に入ると思いますよ。

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