>>戦争映画中央評議会

グレートエスケープ 大脱走1944

西部戦線もツラかったよ系映画の凡作

はったり度

100

大脱走度

10

ドイツ軍悪い度

60

総合得点

30


2015年アメリカ映画。
おれはこれはてっきり往年の名作「大脱走」のリメイクなのかと思った。それぐらい邦題はそっくりと言ってもいい。原題は「The Last Rescue」でこう書かれると違和感はない。一方「大脱走」の原題は「The Great Escape」なのだからもはやこれは詐欺と言っても良いレベルではないだろうか。全く関係ない髪の毛一本として交わらない映画なので注意してほしい。

 

これは基本的には「コンバット」のような西部戦線もけっこうツラかったの!系映画の末端に連なる映画と言えるだろう。この手の映画では「フューリー」がY号戦車を怪物として描いた稀な作品ということで記憶に残っている。悪賢いドイツ軍を苦労して蹴散らす連合軍将兵をたやすく英雄化することができる舞台としてこれ以上のモノはない。いい映画も多いが駄目な映画も多い。まあ今回もかなりショボいがそんな映画だ。

フューリー

野戦病院が急に襲われ主人公以下数名がドイツ軍の捕虜になってしまうが、自力で逃げ出し安全な場所まで逃げようとするのだが、それをドイツ軍が追いかけてきてハラハラドキドキといった展開。子供でも数秒で思いつきそうなお話である。ストーリーに過剰な期待はできない。

看護婦や女性兵士、老いた指揮官に新米兵士からベテラン兵士まで、登場人物は色とりどりでいかにも映画的に揃えられている。特別魅力的なキャラがいないのが難点だ。

ドイツ軍側は基本的に武装SSなのでいかにも悪い感じに描かれている。途中この脱走組に捕まる妙にマッチョなSS中尉や冷酷非道なSS上級大佐などが登場するが、この上級大佐は捕虜を簡単に撃ち殺すだけで指揮官としての能力はかなり低そうに描かれており、フェアな描写は望めない。まあこれはアメリカ映画だから仕方がないだろう。

ラストもご都合主義で、こうなるんだろうな、と思っていたら本当にそうなるだけ。今更語るまでもない感じである。とにかく西部戦線でアメリカが勝っている映画が観たい!という需要にこたえただけの映画だろう。日本人として見るべきところは特にない。だから邦題をこんな風にしないと日本で売れないのだろう。事情は察するがいくらなんでもやりすぎである。大脱走のリメイクだと勘違いする人はけっこういそうだ。ゆめゆめ騙されぬようお気を付けください。

 

 

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