戦場に咲く花

中国側から見たある日本兵のお話

日本軍悪度 80
反戦度 70
悲劇度 80
総合得点 70

 緒方直人主演の日中合作映画。というより「日中戦争を中国の視点から描いた映画」ということで、監督も中国人です。この映画は思ったよりはすんなり観れました。

 負傷した日本兵(緒方直人)が傷を癒す間、ある辺ぴな駅の助役に赴任する。その駅には4人の中国人がいる。日本兵は祖国にも帰れず、軍からも疎まれ、中国人からも恐れられ、暴君と化しやりたい放題やりまくります。そんななか、日本兵は謎の死を遂げます。その死を聞きつけ憲兵隊が派遣されてきます。4人の中国人全員に殺人の動機がありました…。取調べが始まります。

 劇中で、日本兵は傲慢で怖いです。威圧感ありまくりです。しかし、この手の映画に出てくる日本兵の中でも、扱いは相当マシなほうだと思いました。実際これぐらい怖かったと思います。何より緒方直人が、中国人を舐め切った嫌な日本人という感じなのですが、前線にも戻れず、帰国もできず、病の妹に会うこともできない、鬱屈した感情を周囲に撒き散らしているという感じを強く前面に押し出していました。つまり結構人間扱いされていたと思います。「おれは鬼子だ!」と自嘲気味に叫ぶシーンなんかもあります。まあこういうの入れないといけない気持ちはわかります。

 この映画の核心は、緒方直人を殺したのは誰なのか、ということで、サスペンス要素が強い。その謎を解いていく過程で、戦争に翻弄される人々、民族の誇り、戦争のはかなさを芸術的に描き出している、反戦映画としては近年になく説得力のある良い映画でした。ずっと続く暗い雰囲気、音楽。戦闘シーンなど皆無ですがけっこう中国が作った映画にしては良いと思いました。
 当然中国側の視点から描いているため、日本人としては納得できないところも多々ありましたが、少なくとも向こう(中国側)から歩み寄りを見せる姿勢が感じられたので許せてしまいます。

 ただ、憲兵隊の「取り締まり」の悪逆さを遠慮なく描いているので、中国人が観たら日本に対する反感はもって当然であろうと思う。しかし、監督は日本で映画を学んだ親日家であるという話だ。

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