遥かなる勝利へ

三部作の完結編

反ソ度 100
壮大なドラマ度 100
感動度 80
総合得点 60


「戦火のナージャ」を観てまあまあ面白かったものだから、これの前作に当たる「太陽に灼かれて」を観た。まあ、それは戦争映画とは言えない感じだったが、登場人物たちの人物相関はなんとなくわかった。で、この「遥かなる勝利へ」はその三部作の最後を飾る一作だ。

革命の功労者として数々の武勲をあげたコトフ大佐は、スターリンの大粛清によって軍籍を失い収容所行き。そして戦争が始まると懲罰部隊へ。名もなき兵士と成り下がる。そこは最悪の世界で、スターリングラード戦が終わった今、生きているのが不思議に思えるほどであった。

まあ、そんな中、戦いの天王山は終わったかもしれないが、それでもダラダラ二年以上続いたのがこの戦争である。まだまたドイツ軍はロシア西部において優勢を誇っている。これら侵掠された領土からファシストのブタどもを一匹残らず追い払わなければならない。

コトフの懲罰部隊はそんな中、ドイツ軍の要塞攻撃を命じられるが‥



突撃っつったら突撃だおら〜

映画冒頭は、この要塞の攻略シーンで、それなりに戦闘は激しい。この監督らしいコミカルな描写はあるものの、督戦隊が兵たちを追い立てる様子は相変わらずのソビエトクオリティで悲惨の一言。NKVDの大佐が戦場に巻き込まれ督戦隊の機関銃に追い立てられて前進させられる姿はかなり笑える。こんなシーンを入れてくるあたり、製作者は
反ソで一致しているようだ。ドイツ批判よりもソビエト批判が色濃く感じられる。

ラストも
"革命の功労者"とは一体どんな存在だったのかということを白日の下に晒す。そしてラストは無残そのもの。あえてネタバレはしないが、三部作もやって実に長いこと父と娘を引き離しておいて、やっと再会したのに余韻もなにもなくこんな終わり方とは、、"革命の功労者"なんぞにハッピーエンドは許さなれないというわけか。正直この辺はロシア近代史をかじった人でなければ意味が全然わからないはずだ。単なる監督の悪趣味のように見えてしまう。別に挙げられてはいないが、コトフのモデルはトハチェフスキーではないだろうか?赤いナポレオン、英雄と言われたソビエト初期の将軍だが、その手は民衆の血で染まっていたのである。


スターリンもまた登場

"革命"とは武器を持たない人々を、女も子供もぶっ殺すことに他ならない。
英雄的でもなんでもないのである。まあそんなわけで、ロシア人によるロシア近代史を否定する映画であると思ってもらって構わないと思う。戦争映画としてみると、戦闘シーンなど中途半端かもしれない。登場人物に感情移入できなければ三部作を全部見通すのはかなり厳しいだろう。私はそれなりに感情移入できたので、なかなかに楽しむことができました。



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