>>戦争映画中央評議会

ホロコースト〜戦争と家族〜

「慈しみの女神たち」の元ネタ?

お勉強度

100

残酷度

40

リアル度

50

総合得点

65


これは明らかに「慈しみの女神たち」の元ネタと思われる作品。アメリカのテレビシリーズ。1978年に放映された。

 

まんま、タイトル通りホロコーストについて描いたお話である。

1話90分ぐらいで全5話。かなりの長尺で、ホロコーストの流れとしては前段階とされる「T4作戦」から始まり、水晶の夜、ブーヘンヴァルト、テレジエーンシュタット、バビ・ヤール大虐殺やアインザッツグルッペ、アウシュビッツのシーンと、網羅している。

 

また被害者のユダヤ人目線のシーンや、ホロコーストの黒幕たる≪帝国保安本部(RSHA)≫の内幕も細かく描かれており、主人公クラスの人物もいる。特にここで描かれるSS将校”ドルフ”は、「慈しみの女神たち」の”アウエ”に相当すると思われ、ほぼ同じキャラクターである。

 

アウエは同性愛者というスティグマを隠しながら、熱心にお仕事をしていたが、ドルフは父親が共産党員であったという過去を隠しながら、≪RSHA≫長官ハイドリヒの片腕としてホロコーストの指揮を任され、メキメキ出世していく。

 

アウエ同様、ドルフも命令だししょうがなく、というところがあり、生粋の熱烈ナチなどではなく、現代人的価値観を持ちながらホロコーストの現場で地獄ツアーを体験していく。もちろん我々もその目を通してホロコーストを追体験していく流れだ。

 

アウエの前にはハイドリヒ、ヒムラー、アイヒマン、カルテンブルンナー、ヘースなど実在したホロコーストの黒幕たちが現れ、彼らが演じるエピソードの一部は、創作ではなく実際のものもミックスされている。「慈しみの女神たち」に似ていることに、異論は出ないと思う。

 

しかし、それでもこのドラマは「慈しみの女神たち」に大敗を喫している。あれはドス黒くて退廃と悪徳に満ちた、病んだ小説だったが、このドラマは基本的に全年齢を対象に誰でもそれなりに楽しめ、みんなでホロコーストの歴史を学びましょう、という意図で作られたのは明白である。爽やかなんだよね。誰にでも観やすいといえば間違いないです。

 

ラストは、ドルフも逮捕されてしまい、青酸カリで自殺する。

 

言葉が英語なのが一番の難点で、俳優もドイツ人にはみえない人ばかり。名前の発音も、”エリック”という名前、普通ドイツ人なら”エーリッヒ”になんねえか?雰囲気台無しなんだよな。。こういう小さいところがイチイチ気になる自分が嫌だが、肥えた目をした映画ファンの中には同じように感じる人も多いのではないだろうか。

 

よっぽどホロコースト映画のファンでない限り、長いし、先に観るべき映画があると思う。うちにもホロコースト映画のレビューはかなりあるので、是非お気に入りの一作を見つけてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

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