Голод 33
容赦なし度 |
100 |
食物なし度 |
100 |
救いなし度 |
100 |
総合得点 |
85 |
1991年のロシア(ソ連?)映画。 1930年代初頭にスターリンは、重工業化と農業の効率化、富農(豊かな農民という意味だが反体制派を意味する作られた階級である)の撲滅を図り、配下のロシア赤軍と秘密警察OGPUに命じてウクライナやカザフスタンなどで人為的に大飢饉を引き起こした。「ホロドモール」という。 第三帝国極悪伝説外伝 ソビエト編② 特にウクライナでの餓死者は500万~1100万人とも言われる。これはとんでもない事実でにわかには信じられないし、世間の認知度も今一つだが、ロシア政府が公的に認めている紛れもない事実である。 共産党がテロに人工飢餓を利用するのはまさに専売特許で、今でも北朝鮮がやっているのはどんなバカでも知っていると思うが、元祖は間違いなくレーニンであった。レーニンは10月革命の後にロシア全土で広がった内戦によって都市部が飢餓に瀕したのに対し、「戦時共産主義」という政策を発動。配下のチェーカーやロシア赤軍に農村地帯で組織的かつ計画的な食糧の略奪を行わせ、この時も数百万人規模のウクライナ農民が餓死に追いやられたとされている。レーニンは農民反乱軍に対して毒ガスを使用してまで鎮圧した(実行したのはトハチェフスキー)恐怖の暴君であった。スターリンは師がやったことをもう一度やったに過ぎない。 レーニンがはじめ、スターリンがより規模を大きくして徹底的に行い、毛沢東が記録を塗り替え、北ベトナム政府やポルポト派がこれを継承し、北朝鮮が今でもやっている。飢餓によるテロ。まさしく最も原初的で絶望の深いやり方である。 この映画はロバート・コンクエストの「悲しみの収穫―ウクライナ大飢饉 と、いいかげんなことを言っているが、おれはこの映画の舞台裏については全然知らないので適当な推測であることはお断りしておきたい。 ある農民が食糧収奪隊に穀物を奪われ、飢え、八方手を尽くして食べ物を手に入れようと努力するが、結局家族はバラバラになり、緩慢に餓死して行く過程をみさせられる最悪の映画だ。一片の救いもない。地獄である。さっさと撃ち殺してくれた方がずっといい。 しかし、映像的には珍しいシーンが目白押しで、特にボリシェビキ政府が長い時間をかけて行っていた教会財宝や聖遺物の収集計画の現場なども描かれていて興味深い。レーニンは革命政権が成立した直後に「ぼうずどもに対して大量テロルを行え」(すげえわかりやすい命令である)と命じ、聖職者の迫害と銃殺、財産と土地の没収を徹底的に行っていたのだ。それを売っぱらって軍資金とし、白衛軍などの抵抗勢力と戦おうとしていたのである。 スターリンはここでも師を真似た。そしてフルシチョフの時代まで宗教弾圧は続けられたのだ。 映画では「隠してる聖杯を貢げば食い物やるぜ~~?腹減ってんだろ~~??グヘヘヘ」という感じの悪いGPUのスタッフが登場。農民たちは生きるために神を裏切らざるを得ない。何とも残忍である。。 神を裏切って手にしたパン…子供も捨てる。全部自分が生きるため 村周辺の食べ物を食べ尽くし、街にみんなで逃げようとするが、赤軍が待っていましたとばかりにこれら飢えた農民の群れに機関銃をぶっこみ、皆殺しに。 死体は汽車で運んで穴の中に丸太ん棒と一緒に放り込んで火葬。この穴の中の光景とかすごいんで見てほしい。そっか、、、丸太を一緒に投げ込めばちゃんと灰にできるのか、、、知らなくて良い知識が増えてしまう感じで怖い。 とりあえず珍しい映画だと思うんで是非見てほしい。いつものソ連映画らしく、みんな死んで終わりだ!何とも潔い。 |