ハートロッカー

「何でおれはこうなっちまったんだ?」「知るかよ」

爆弾度 100
ヒヤヒヤ度 100
市街戦度 70
総合得点 80

ハートロッカー
2008年アメリカ映画。

いわゆる戦争狂の話ですな。
イラク戦争での爆弾処理班に所属するあるお兄さんの話です。妻も子供もいるが、この世界一危険な任務にとりつかれています。

思ったよりもずっとしっかり戦争映画をやっているのが好感が持てます。

正規軍との戦闘が終わっているので、ゲリラ攻撃に血道を上げるイスラムの不正規軍との終わりなき騙し合いを描いています。

都市のど真ん中に仕掛けられた爆弾。周囲にはギャラリーがたくさんいて、いつ誰が爆弾の起爆装置を作動させるかわからない。そんな疑心暗鬼の中で進められる作業は狂いそうなぐらいの恐怖。軍服着てる敵なんか一人もいない。みんな民間人のふりをして効果的なタイミングで爆弾を破裂させるわけである。

そんな圧倒的な恐怖の中で、たいていの兵隊は爆弾処理の仕事をしょうがなくやって任期が明けて国に帰れるのを心待ちにしている。
しかし主役のお兄さんはこのとんでもないスリルにとりつかれている。戦争は麻薬であると。

任期が明けて妻と子供のところに帰っても、果てしなく退屈な日常が無限に続くのみだ。楽しいと思えるものが何もない。たった一つの真実は爆弾処理の仕事が自分はたまらなく好きだし、これに代わる娯楽を見つけられないということだ。こうして、男は危険な戦場へと戻ってゆく。なぜかわからんが。何でおれはこうなっちまったのかなあ。その答えも見つけられないまま。

まあ色々語られているが、戦争映画としてこの映画をみた場合の臨場感はかなりのものである。あの手この手で爆弾を仕掛けて一人でも多く殺す、というイスラム側のわかりやすさが恐ろしい。自動車爆弾に人間爆弾と色々出てくる。全部解除できるのかと言われたらそんなこともない。しばしば起爆させてしまうし、そのたび人が死ぬ。

イラク戦争をかなりリアルに描いた映画はまだ数はそう多くないと思うが、本作はその中でも代表作、まず観るべき映画としての地位を得たと思う。文句なしに面白い。21世紀の戦争はこういう形なのだな、としみじみ実感できる佳作だと思います。

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