ジョニーは戦場へ行った

娯楽度ゼロの反戦映画

反戦度 100
悲惨度 100
地味度 100
総合得点 50

1971年のアメリカ映画。
第1次世界大戦で、砲弾を受けて四肢を失い、顔も吹き飛ばされ、顔のない芋虫のような存在として珍しいから生かしておこうってことで生かされてる若者の話。名はジョニー。

青年は意識はあるが見ることも聞くことも話すことも食べることもトイレに行くことも出来ない。しかしなんとなく周囲の様子がわかるようで意識もはっきりしている。彼は手がないから自分で死ぬことも出来ず、足がないから逃げることも出来ず、口がないから助けを求めることも出来ない。必死で首を振って周囲に語りかけるが、「反射運動」としてかたづけられ、何年もそんな状態で生かされる。

彼は今がいつなのかどのぐらい時間がたったのかも直感で推測するしかない。毎日毎日時間を知ろうともがく。また、出征前に恋仲だった少女のことや、父親のことや、もっぱら過去のことを思い返したり、妙な夢にうなされたり、こういう状態の人間がやるであろう(と推測される)ことを全てやる。それぐらいしかやることがないのだ。いつしかジョニーは今自分が夢を見ているのか起きているのかもわかりにくくなってくる。

そんなどれほど時が流れたかもわからないある日、新しくやってきた看護婦は、ジョニーに意識があるということに気づき、皮膚の上に指で字をなぞって語りかける。彼はそれが嬉しくて必死で首を振って語りかける。そして自分をサーカスで見世物にしてくれ、それが駄目なら殺してくれと訴える。看護婦は主治医などを呼んでくるが、ジョニーを死なせることは許されなかった。看護婦がこっそり呼吸用のチューブを抑えて殺してあげようとするが、それを上司が見つけて追い出してしまう。こうしてジョニーは最後の希望をも失い、「助けてくれ(殺してくれ)S.O.S」と語りかけながら映画は幕。実話を基にした話だそうである。

おれこういう映画ってちょっと苦手かもしれないな。希望のないクソ暗い映画大好きなんだけど、これって暗いだけで話はあまり面白くないと思います。地味で盛り上がりもないし、娯楽映画ではないですね。戦争の負の部分にこれ以上ないぐらいクローズアップした作品ですね〜〜。

なんでこういうの苦手かっていうとねえ。この映画を観て「別にあんまりおもしろくなかったけど・・・」と言おうものならすかさず自称反戦平和主義者から「お前は冷酷非道だ!」とか「この映画を何も感じないなんてそんな奴とは仲良くなれない!」とか「こういう映画は無視できないんですよ。名作なんですよ!何でそれがわからないんですか!」とか言われそうだから感想を書くのがやや面倒くさい。この映画を観て、
もう2度と戦争を起こしちゃいけないと誓いを新たにしないと強制収容所にぶち込まれそうで、有無を言わさぬ賞賛以外はナチ扱いという恐るべき雰囲気が出来上がるから怖いのだ。

かつて世界中で平和を唱えた社会主義者が人類最悪の虐殺を引き起こしたように、綺麗ごとには裏がある場合もあります。

僕は個人的に
反戦映画を観て反戦の誓いを新たにするのは好かない。戦争映画を観て歴史をお勉強した気になるのもあまり上等ではないと思う。映画は娯楽であるべきだし、個人の信条や意識に干渉するべきではないと思う。それがどんなに素晴らしいお題目であってもだ。素晴らしいお題目だと思っているのは、今の僕たちだけかもしれないのだよ。

 

 

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