>>戦争映画中央評議会

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キーピングルーム

色々な要素が全部中途半端

鬱映画度

90

戦争映画度

70

ホラー映画度

60

総合得点

40


2014年のアメリカ映画。
南北戦争下で男の出払った女ばかりの家に北軍の荒くれ兵士が迫る。自分自身と家を守れ!といった調子のザ・アメリカ映画だと思うのだが、雰囲気はまあまあいいのだが、イマイチの映画。

南北戦争が舞台の映画はとても好きである。ひどい時代だ。情け容赦ない戦争。奴隷解放、北軍内の人種差別。市民を巻き込んだ殲滅戦。現代においても色々な課題を投げかけてくる素材だろう。

ただ、この映画イマイチなのだが、個性的ではある。戦争の時代を描いた映画なんだけど、ジェンダーや人種問題を考えさせられるドラマでもあり、侵入者から家を守るパニックものの要素もあり、ホラー映画の要素も(特にレイプリベンジものの要素も)ある。

なんだかみていて、ユーゴ紛争を舞台にした『復讐少女』という奇天烈な映画を思い出した。まあ、これはあれほど突き抜けて悪趣味ではないし、女性でもギリギリ観れる内容(多分)。引用しといてアレだが、アレは観ない方がいい。

劇中の雰囲気は、少ないセリフ、陰鬱な音楽、メソメソ泣いてばかりの特定の登場人物など、極めて暗い雰囲気だ。

北軍の荒くれ兵士が襲ってくるのは、なんと映画が始まってきっちり一時間ぐらいたったころであり、かなり退屈かつ起伏の乏しい展開が延々続き、これはしんどいです。芝居はまあまあ検討していると思うが、いかんせん脚本が悪くねえかなあ、と思ってしまった。

侵入→撃退のシーンにおいても、変に超人的な能力の人間もいないし、活劇として盛り上げようとしているわけでもなく、ひたすら、戦争でこういう状況が実際にありうる、とでもいうかのようなリアリズムに満ちた演出で、こう書くと骨太なのかといえばそうではなく、このような話ならもうちょっと既存のホームインベージョンムービーのようなアクション要素が欲しかったように思う。見せ場のはずなのに見せ場になってない!

しかも、こういうのはなんのかんので女性はなんとか助かってしまうものだが、なんと×××××××××××である。とんでもなく鬱な展開にひた走る。

冒頭のテロップからして、戦争の残酷さや恐ろしさを描きたかったのかなあ、などと思い、思い切ってこのホームページで紹介することにしたのだが、ありそうな話のようでいて、どこか現実味のない変な映画だ。普通悪役になるのは南軍なのにこの映画は北軍が悪役。別に悪くはないがこの辺も王道路線を外している。いろいろ野心があったのかもしれないが、すべての要素が消化不良で、いっそ的を絞って振りきったほうが良かったかもしれない。

まあ、そんなわけでこれを戦争映画じゃないと言い切れる要素は少なく、案外普通に南北戦争の民草の悲劇を描いた映画ってことになるのかもしれない。そういうのは実は今まであまりなかったので歓迎したいところだが、この映画ななんだかイマイチである。タランティーノがこの辺の時代を立て続けに撮ってヒットを飛ばしたから、今後もこの辺の時代を描く映画が増えるといいですね。

余談だけど、日本版パッケージについてなんだけど、この映画は二人の姉妹と、黒人女性が主役級として登場して、三人で力を合わせて頑張る話なのよ。しかも黒人女性はかなり劇中重要な人物で、彼女が主役だといっても良いぐらい重要なんだけど、なんでパッケージは白人二人だけ並べて「この部屋立ち入り禁止」とかピントのずれまくったキャッチをのせちゃってるんだろうねえ。こういうのっておれは人種差別だと思うんだけど、どうよ? これがアジア人が無視されてる欧米の広告だったらどうだ? おれだったら無茶苦茶ムカつくな。本当に恥ずかしい。レイシズムはどこにでも潜んでいて、悪びれることもなく平然としている。製作会社は反省しろ。ほんっと恥ずかしいことをしているぞ君らは。

 

 

 

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