>>戦争映画中央評議会

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この世界の片隅に

激甘納豆ハチミツ入り

鬱映画度

50

爆撃の迫力度

100

美化されたニッポン度

100

総合得点

50


同じタイトルの原作漫画はだいぶ前に読もうとして断念した。眠くて全部読めなかったからである。

だからこの映画に関しては、お米粒一粒分の期待もせずに、半ば義務感で観に行った。そろそろ更新しねえとなあ、と思ったからである。(3ヶ月ぶりの更新である)

テーマは単純で、まんま「火垂るの墓」。いや、違うやろ?!と言われそうだがほとんど同じやろ?ただ、「火垂るの墓」の方がはるかに悲劇的で救いのない話である。こちらは古き良き日本の、精一杯美化されたふるさとに、徐々に忍び寄る戦争と原爆の影というやつである。

これはそんなに悲惨でもない話だ。どうしてかという話をするとネタバレになるので何も言えない。ストレスだ…

良い部分は、美化された美しきニッポンに、無慈悲に飛来しては重爆、焼夷弾を叩き落とし、機銃掃射を加え、縦横無尽に暴れ回る米機動部隊にスーパーフォートレスB29。貧しいが平和で素朴な毎日を引き裂く、無機質かつメカニカルな殺戮者たち。これがこの映画の見所である。

このアクションというか、爆弾、機銃掃射のシーンは素晴らしい。合格である。文字通りほんわかした平和で美化された無害な羊の如き日本人の銃後の一家を、容赦無く蹂躙する炎と鉄の暴風雨。平和な日常とはあまりにも不均衡な殺戮パワー。非道すぎて言葉もない。

しかし、である。
これほどまでに素晴らしいアクションシーンなのだが、尺にすればあまりに短い。すぐシーンがカットされて次のシーンに進んでしまったりする。よくあるもどかしい感じである。これには閉口だ。

やっと爆撃が始まったよ〜とワクワクしながら観ていたら、すぐ終わってシーンが飛ぶ。ハリウッド版ゴジラかよ?!オマージュなのか?!(ゴジラの元ネタは東京大空襲)

もっともっとシステマチックに、冷血かつ無情に続いたのがアメリカの無差別都市空爆であろう。最終的には原子爆弾が落とされ、都市をまるごと物理的に滅殺してしまうわけなのだから、ここら辺はもう少し無情に描いても良かったはずだ。

え?十分残酷だって?
いや、甘々だろ…こんなもんじゃなかっただろうに。もっとメンチカツやハンバーグやもんじゃ焼きや石焼ビビンパが見たかったなあ……(最低の感想)

一番残念だったのは、原爆のシーン。アレで終わり……?
一家全員「かゆ……うま…」になっちゃうのかと覚悟していたのに……。
超絶の拍子抜けである。(←何を期待しているのか)

爆撃と機銃掃射のシーンが素晴らしいだけに、これだけで3時間半の前後編二本立てにしてほしかったですわ。予算が勿体無い映画です。(ひでえ感想だ)

まあ、酷さは上記のごとく激甘納豆ハチミツ入りなので、この映画を楽しめるか否かは、その美化されたニッポンと、清純かつ純朴な、一切邪念のない非現実的造形の主人公をはじめとした登場人物の、可愛らしいアニメーションと可愛らしい広島弁だ。これを楽しめるかどうかにかかっている。その可愛らしさと爆撃シーンの無慈悲さにカタルシスを感じられるかどうかだけどおれはイマヨッツぐらいだったなあ……もっともっと人が死なないとダメだろ。

繰り返すけど、いや、マジで、この手の映画はさ、もう少し人が死なないとダメじゃないかなあ? 戦争の悲惨さを感じたくてしょうがなくて作ったんでしょ?この映画。もっと殺すべきだよ〜。じゃんじゃんと。最後、孤児を連れて帰る下りなど偽善も良いところ。そんなゆとりあったんすか、、と唖然としましたわ。戦争を美化してはいけません。

 

 

 

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