>>戦争映画中央評議会

クーデター

ブルータルな東南アジア

 

ブルータル度

100

家族愛度

100

群集怖い度

100

総合得点

75


2015年アメリカ映画。

主人公は支援事業でとある東南アジア某国(多分タイがモデル)へ妻と娘二人を連れてやってきた。しかし、いきなりクーデターが発生し、政府関係者と外国人全てが殺戮対象となり、見境なしに襲われるという話。ストーリーはすごくおもしろそうで文句なし。このたびやっとレンタルできた。

 


言葉も通じない異国で現地民全部がいきなり襲いかかってくるというのは、割と想像しやすい悪夢だ。言葉が通じない世界と言うのはかなりストレスフルである。それどころか現地民は銃器で武装しており、何の躊躇もなく「外国人だー!!」と仲間を呼びながら撃ってくる。

 

こういう無法地帯な映画がワタクシはすごく好きなのだが、この映画のように、都市のど真ん中が無法地帯になってしまうのは案外珍しい。

主人公、パパははっきり言って足手まといにしかならない娘二人とむやみにセクシーなママを連れて、この無法都市をサバイバルする。自分が生き残るだけでは不十分だ。家族を守らなければ、、、アメリカンスピリッツ剥き出しの作風だが、イマイチうけなかったのは暴力描写が激しすぎたからか、主人公が基本的に善人で反撃のカタルシスがほとんどないからか。

それどころか、西欧企業がこの貧乏国を支援事業の名の下に食い物にしている構図を語り、「彼らは家族を守っているだけだ」なんて言っちゃったりもする。その中途半端なフェア精神は映像には全く反映されておらず、現地民の暴力性は「アクトオブキリング」や「ランボー最後の戦場」が念頭に描かれたのはほぼ間違いない。その迫力はかなりのもので、人を殺すのに全然ためらいがなく、容赦なく殺し、犯そうとするのが素晴らしい。たった一晩でなんでここまで変わってしまったのか?!というのはいささか説明不足だが、そういうものなんだ、と割り切って楽しむのが正解だろう。

ただし、この映画の疾走感を阻害する因子として、おしっこに行きたがるガキだの、想い出話をせがむガキだの、出て行っても意味がないのにむやみに出て行ってすぐ捕まるガキだの、いや、子供だからしょうがないよ、、、というのはわかる。しかし散々人のガキを「かわいいねかわいいね」と死んだ目で言わされているワタクシとしましては、映画の中でまで人のガキにムカつきたくはない。実際この映画のテンポの悪さはそこに原因があるように思える。

 

主人公もガキの手前、生きるために全力を尽くせない。殺されそうになるのを反撃することさえ躊躇われるのだ。良いパパを演じたいがために、、、そんな日和見で生き残れるほど甘い状況ではなさそうなのに、それで何とかなってしまうのには少し冷めてしまう。ガキなどひっぱたいて黙らせろ!まあ、そんなわけで子供が観るには暴力的すぎるし、大人が観るにはやや退屈。そんな映画になっております。。

もう少し無茶苦茶やってほしかったなあ。浅黒い肌の野蛮人の群れ。その下品なステレオタイプを思い切り開き直って描き切ればカルトとして名を残したのではないかと思う。

 

 

 

 

 

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