>>戦争映画中央評議会

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メッサーシュミット・ダウン

卑怯な英雄

卑劣度

100

ドイツ軍弱度

100

愛国度

90

総合得点

40


メッサーシュミット・ダウン、、
あからさまに「ブラックホークダウン」をイメージした野心的な邦題である。

まあ、タイトルでふいて興味本位で観たのは否めない、、

2011年ロシア製の戦争ドラマで、全6話という大作。参ったよ、、1話45分ぐらいあるしな、、
全部観るのも大変だ。

話はおなじみだが、独ソ戦。今回は初期だが、もう冬が来ており、戦線が膠着しだした頃のようである。

ソ連赤軍のヒゲがセクシーなパイロットが主人公。例によってハクいヨメと小さな子供がいる。この辺はもうお決まりである。だいたいロシア製の戦争ドラマは最後で主人公が死ぬからね。悲劇性を強めるためなのか、家族を想いながらも国のために奮闘する姿がわかりやすい英雄像なのか。とにかく主人公の家族がフィーチャーされることが多い。

さて、物語はわりと個性的である。最初はソ連空軍機のYakっぽいのに乗ってて、敵陣を視察してたら撃墜されちゃうんで、完全に邦題デタラメじゃねえか!とふきました(笑)。

「Yakダウン」じゃん!(ゴロわるっ!)

と思った貴方は甘い。



その後、パイロットの主人公はドイツ軍の空港でパイロットを殴り倒してメッサーシュミットBf-109を強奪!自力で自軍領内に戻ろうとする。ところが自軍に撃墜されてスパイだろおまえ!と殺されそうになるのだが、今度はその瞬間ドイツ軍の攻勢が始まり、ドイツ軍に味方パイロットだと勘違いされて救われるという、話だけ書くとコントのような展開。まあだんだん笑えなくなってくるのだが。

主人公はドイツ軍の制服を着て、メッサーシュミットを操るわけだが、ドイツ軍の戦闘機やトラック、地上部隊の面々を卑怯にも騙し討ちで次々撃破してゆくのである。

敵の軍服着て敵の戦闘機を使い、敵を背後から撃つとは完全にゲリラ戦術。国際法違反。卑劣極まりない。最悪である。

まあまさに主人公は途中、ゲリラ部隊に参加するので、卑怯という自覚はあるのかもしれないが。

観ているとだんだんムカムカしてくる。

にもかかわらず、いかにもな悪賢い感じのオーバーシュトゥルムバンフューラー(親衛隊中佐)が登場し、市民を迫害している様子などをフィーチャーする。まあこれもこれで血も涙もなくボロクソやってくれれば多少リアルになったと思うのだが※、実に中途半端。

※ドイツ軍やSSが占領地域でむちゃくちゃな恐怖政治をしいたのは史実である

話はいつしかドイツ軍よりも、確執を深める人民委員との陰謀めいたバトルになっていく。この辺は正直どうでも良い展開だった。水戸黄門のように悪代官の陰謀は失敗し、逮捕されて終わる。

あと、珍しく主人公も死なない。
家族と手をつないでフィナーレだ。

最近のロシア製の戦争ドラマに顕著なのだが、ドイツ軍がめちゃくちゃ弱い。これは今作でも際立っており、騙し討ち一本で一体何人蜂の巣にされたのかわからないほどである。味方のゲリラ部隊も鬼強である。ごく控えめに言ってエクスペンダブルズ。死にそうにない。ドイツ兵は山のように死ぬというのに。

メッサーシュミット同士のドッグファイトなど、珍奇で個性的な戦闘シーンはあるものの、わざわざ観るほどの出来ではない。

発想は個性的だが、あまりに陳腐な物語。邦題のようにストレートに「ブラックホークダウン」をパクれば良かったのに。ドイツ軍の軍政地域で撃墜されるソ連機、救出を命令されるパルチザン部隊、無事任務を終えたらスターリンに裏切られ粛清される、、、こんなお話ならかなりおもしろそうだと思う。

本作はロシア産愛国戦争ドラマといえるだろう。


 

 

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