ナチスが最も恐れた男

地味なんで注意してください

レジスタンス度 80
ドイツ軍ワル度 60
地味度 100
総合得点 65

ナチスが最も恐れた男、、なんとも野心的なタイトルだ。ルースベルトやスターリンじゃないのかと思ってしまうが、これはノルウェーの反独レジスタンスの地下活動を描いた映画であり、ノルウェーの英雄マックス・マヌスを主役とした戦争ドラマである。

マヌスは「冬戦争」において義勇兵としてフィンランド軍に参加し、ボリシェヴィキと死闘を繰り広げた経歴を持ち、今度は占領されたノルウェーで反独活動をイギリス情報部とノルウェー亡命政府の支援の元、行っていく。

数々の破壊工作に参加するが、その過程において戦友を一人また一人と失い、祖国は最終的にナチスを打倒したものの、失った命は二度と戻らない。英雄の悲哀と戦争の虚しさを描いている。

アクションや暴力描写など突出したものはなく、人間模様に関しても型通りでありきたりと言わねばならない。主人公が時折回想する冬戦争のシーンのみ戦争映画的に素晴らしいと言える。映像も美しく、真っ白な氷の戦場を表現できている。しかしあくまでこのシーンは回想であり、断片的で一つ一つのシーンが短く、お腹いっぱいには程遠い。

ノルウェーのSD幹部の
ジークフリート・ファーマーも、本物とは似ても似つかぬイケメンさんが演じており(ドイツ人に見えないというか)、やや迫力不足と言うしかない。

しかし、実際ファーマーは女性に好かれる魅力的な人物で、しかも拷問を好み、またサドであったと犠牲者から評されている。彼とマヌスの対決が見所だが、派手なアクションやスリルに満ちた描写は多くなく、やや地味な映画である。また、ファーマーの残虐性をにおわす描写もかなり控えめ。これではなぜこいつが悪いやつだったのか、歴史に無感心な観客にアピールするのは難しいのではないだろうか。

ラストは栄光を手にしたマヌスと、獄中のファーマーの対比で終わるが、栄光を手にしようが、ダチ公はみなあの世に行っちまった。おれはそれが悲しいのさ。と。そうしてこの映画は終わる。

ノルウェー対独協力者の軍服など珍しいシーンもあるため、マニアはおさえてほしいが、それ以外はあまりアピールするところもない感じだ。雰囲気がデンマーク反独映画「誰がため」に似てるが、あちらの方がハードボイルドで絵的にも面白くオススメできる。「ナチスが最も恐れた男」が気に入った人はアレ好きだと思うので是非試してみてください。



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