ノーマンズランド

素晴らしい反戦映画だがすごく暗い話

反戦度 100
悲惨度 100
風刺度 100
総合得点 90

 ボスニア紛争が舞台の、仏・伊・ベルギー・英・スロヴェニア映画。

 気絶していた兵士の下に仕掛けられた除去不可能の地雷。兵士が動けば爆発するという仕掛けで、この地雷を除去する上で繰り広げられるドタバタコメディ…というのは嘘で全然コメディではなくかなり重いテーマの反戦映画です。

 戦闘地域の中間地点の塹壕で繰り広げられる物語ですが、敵同士の二人の兵士が時には銃を向け合い、時には親しげに話し合ったり、時には二人で両側の陣営に向かって白旗振ったりと、この紛争を皮肉っぽく風刺しているような映画で、かなり寓話的です。リアリティよりもメッセージ性を重視しているようです。

 徐々に敵同士の二人の兵士は親交を深めていくように見えるのだが事態は単純ではなく、地雷を撤去してあげようと介入した国連軍とマス・メディアによって振り回され、衝撃にして悲劇的なラスト迎えます。あえてネタばれはしませんが思いつく限りで
最低最悪のラストとだけ言っておきましょうか。。

二人の兵士は仲たがいしながらも親交を深めていくようにも見える、しかし、銃の存在がこの二人の兵士を友人にすることを妨げます。どちらか一方が銃を持てば銃を持たぬものは屈従を余儀なくされ、お互いが銃を持った時だけ平和が訪れる。
国際社会の現実を縮図にしたようなやり取りが新鮮で面白かった。

おせっかいを焼く国連やメディアも結局他人の悲劇を食い物にしているだけだったり、所詮は他人事という偽善めいた姿で描写されています。現実の平和主義者だか何だか言う人たちも、この映画では痛烈に批判されていると思う。結局他人事だし、行動を起こそうなどという気もないのだ。

この映画では偽善が最大の悪だと語られている。コメディタッチに作られているし所々でブラックなユーモアが入るのだがそれだけにラストの悲劇がより強調されていると思います。反戦映画としては一級品だと思いました。

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