パーフェクトサークル

狙撃班が極悪

 

反戦度

100

緊迫

100

悲劇

100

総合得点

75


パーフェクトサークルとは、完璧に包囲されたサラエボを指すようである。

97年のボスニア・フランス映画。

1992年4月、ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国軍が防衛するサラエボ市を、セルビア政府軍とセルビア武装集団が包囲した。

包囲戦は4年近く続き、セルビア側の容赦ない無差別砲撃や、市民への狙撃、数々の民族浄化作戦が西欧の反感を買い、包囲戦は外圧によって終幕となった。

舞台は包囲戦の最中。
フツーなおじさんの詩人が主人公。

包囲される直前に家族を逃がし、自分は市に留まることに決めた。そのため、とんでもない光景をたくさんみることになる。

冒頭が素晴らしい。
ある田舎の村。
小さな兄弟が寝ていたら外でいきなり銃撃戦が始まる。もうわけわからないけど、本能的にベッドの下に隠れるが、武装集団は家の中にドカドカ入ってきて、手榴弾は投げ込むわ、見るからに丸腰の市民を容赦なく銃殺。この兵隊たちが無駄に動きがいいため、ここは盛り上がる。

何が何やらわからぬが、兄弟はとりあえず助かった。でも子供だけでどうするんだ〜?と街をウロウロしていたら主役の詩人と出会い、行動を共にすることになる。

ストーリーはこんな流れだ。

最後はあっけなく兄弟の弟の方が戦闘に巻き込まれ亡き者に。何も解決せぬままエンドロールだ。

この映画の包囲されたサラエボ市内の様子が必見。リアルだし、戦闘シーンも一方的なもので、街歩いてたら狙撃されたりだとか、飯食って笑ってたらいきなり砲弾が落ちてきたりだとか、ノンビリ川にでも行ったらいきなり銃撃戦に巻き込まれたりだとか、犬まで狙撃する徹底的なセルビア軍の極悪さもあいまって、何一つ楽しそうなところが見当たらない戦闘シーンである。乾いた演出と灰色の映像も助け、まったく楽しい気分にならない。本当の戦争はこんな風にストレスフルな環境でただひたすら我慢をする、そんな感じなのだろう。イヤだね、、戦争なんかしたくないわい。

実際、狙撃がとにかく酷かったようで、少しでも視界の良いところを通りがかったら、あっという間に撃ち殺されてしまうから、移動するときは腰をかがめて頭を低くてして全力疾走せねばならないし、車を積み上げただけのバリケード(多分本物)に隠れて、イチニノサンで飛び出す、みたいな、市民がそんな生活を強いられる。

でも、狙撃手もなかなか腕が良いから、イチニノサンで飛び出してても、三人目で確実に狙撃されるから、それはやめとけみたいなセリフも出てきてリアル。でも映画の中では、イチニノサンで飛び出した2人目のおばさんが狙撃されて路上でぶっ倒れるという無情なシーンもある。

とにかくセルビア軍が画面に映っても映らなくても緊迫感がある映画だ。

しかし、子供との心のふれあいなどが映画の多数を占めるため、けっこうそこは眠い。まあそこで眠いとか言ってたら人としてどうなんだ!と自信がなくなるが(笑)、眠いんだから仕方ねえよ。

ラストの悲劇の伏線として、子供と遊ぶシーンなども早送りなどせずにしっかり目に焼き付けてください。

 

 

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