ランボー

ナッシングイズオーバー!ナッシング!

みじめ度 100
哀れ度 100
泣ける度 100
総合得点 100

もう名作ということでこうして今更書くのも馬鹿らしいのだが、今改めて観ても胸の奥がグッと熱くなる、そんな映画です。

この映画に減点を加える勇気はおれにはありません。

ベトナム戦争、
あのアメリカが負けた戦争… 兵士たちの虚脱感、絶望もそれだけ深い。

ベトナム戦争にてグリーベレーで殺しのプロフェッショナルとして戦ってきたランボー。 戦争が終わって何年も経つが心の傷は癒えず放浪生活を送っていた。

とある小さな町に流れ着いたランボーだったが、いきなりその町の保安官に絡まれ町を追い出される。 しかし生まれつき?ぶっきらぼうで無愛想で無礼千万のこの男、止せばいいのにふてくされた態度で保安官を怒らせる。その場で御用となるランボーであった。

よそ者嫌いの田舎もん保安官たちはなんと
ランボーを拷問!辱めたいだけ辱める。 ランボーはブチ切れ壮絶な悪あがきを開始する。

彼がたった一人で始めたその戦争は、大部分の人々には無意味な大人げないものに見えるだろう。

そんな感じで怒れる元特殊部隊はアメリカの山林を舞台に、州警察、保安官、州兵を相手に壮絶な戦いぶりを見せつける、つまるところ、いじめられっこがブチ切れたという、それだけの映画である。

とにかくランボーは
どこから来た化け物だキサマと聞きたくなるぐらい強い。反則じみた強さである。まぁよくあるヒーローものだが、そんな古典的アクション映画風の匂いも感じさせつつ(当時はそういうのがはやっていたわけだし)それでもこれが戦争映画の名作だと言えるのは、この壮絶な闘争が非常に閉塞感に満ち満ちており、悪あがき丸出しで、加えてみっともないからである。戦争映画にはこういう無意味さを強調するテーマってのがお馴染みだが、ランボーにもまさしくそれがある。

とにかく何のためにやってんだよ…と。意地だけかよと。もうちょっと大人になれよと。良識ある大人はそう思うしかないだろう。特に女性にはランボーがこれほどまでに過剰に悪あがきをする理由は理解できないだろう。

だがな。ランボーはあの地獄のベトナム戦争で敗れたアメリカの象徴なのだ。
筋肉と人の殺し方しか知らない。敵を殺して殺して殺しまくりそれだけしかしてこなかった幼い国。そのアメリカが喧嘩で負けた。たくさんの若者が死んだ。心に傷を負った。勝てば官軍負ければ賊軍…世界最強の帝国でもそのことわりから逃れることはできない。ベイビーキラーだの、虐殺しただのと責められる。あんなに命がけで国のために戦ったのに。戦争を知りもしない連中が簡単に貶めるようなことを言う。

誇りを守るため、すでにズタズタの誇りを…そのために牙を剥くランボー。なんて無意味なのだろう。理解されるはずないじゃないか、こんな乱痴気騒ぎの末の荒唐無稽。 だがそれでも降伏できないランボー。ランボーには結局戦うことしかできないのである。その無様な姿は痛々しく、その惨めな姿は涙を誘う。

ランボーが日本人に人気があるのはこういった理由だろう。
アメリカだって負ければ無駄だったと責められる。日本人も同じだ。戦争で負ければ虐殺しただのひどかっただのエロかっただのむちゃくちゃ言われる。それで怒り狂う元軍人の話しなんて日本にあるのだろうか?ないよな。日本人はその通りですすいません、と頭を垂れるだけである。
それが大人の態度だと思われてるのだから。 ランボーの姿は敗戦国日本にとっても痛快なのだろう 。

特にラスト。トラウトマン大佐に説得されて銃を置くランボーだったが、
そこで吐き捨てるすげえ長いセリフは涙なしにはみれん・・悲しすぎる・・みじめすぎる・・。

「何も終わっちゃいません、何も!
俺にとってあの戦争は今でも続いてる
あなたに無理やり連れていかれ勝つために必死で戦った、だが結局は勝てなかった
そしてやっと帰国したら空港ではデモ隊が俺を待ち受け罵り声をあびせてきた
赤ん坊殺しだ、大量殺人者だってねえ
あいつらにそういう資格があるのか?誰ひとり戦争が何かも知らないで俺をせめる資格があんのか?」

俺はずっと世間のやっかい者だ
戦場じゃ仁義があった、お互い助け合って生きてきた
だがここでは違う

戦場ではヘリを飛ばし、戦車を走らせ100万ドルの武器を任された
それがここでは駐車係の仕事すらないんだ!
惨めすぎる…こんな、こんなことって…みんなどこへ行った?畜生…どこへ…空軍にも友達が大勢いた…
そう、大勢戦友がいた
戦場には頼れる仲間が、親友がいた…ここには誰もいない
ダン・フォースを覚えていますか?
賭け事の好きな奴でみょうにウマがあってよく話をしたんです
帰ったら一緒にラスベガスに行こう、そんときは奴の車でって約束したんです
真っ赤な58年型のスポーツカーが奴の自慢だった
二人でビンビンにぶっ飛ばそうって…
あの日町を歩いてたら声をかけられた
靴みがきの箱を持ったガキで「靴みがきOK?」って言うんです
「お願い」って俺は断ったけどダン・フォースはつい「イエス」っていっちまった
そして俺はビールを買いに行った
その間に悲劇が起きた
靴みがきの箱には爆弾が仕掛けられててそいつは爆発音と悲鳴が一緒になって
バラバラになった身体が俺にへばりついた…俺は必死でそいつをひっぺがそうとしたんだ
それから慌ててバラバラになった手足をひろい集め奴の身体にくっつけようとしたけど内臓がはみ出して…
奴は泣きながら言った、「家に帰りたい…家に帰りたいよ、家に帰ってあの車を運転したいよ」って…
俺はそのまわりを這いずりまわって奴のちぎれた脚を捜した
でも見つからなかった、その時の光景が頭に焼き付いて
7年たった今も毎晩夢にみる
目を覚ますと自分がどこにいるのか、誰かもわからなくなる
そんなことが丸一日、一週間も続く…追い払えないよ
助けてください大佐
俺はどうすればいいんですか…教えてください…」


何度観てもここだけは涙なしにはみれない。。特に駐車係の仕事すらないんだ!ってM4をぶん投げるところで涙腺がゆるみはじめ、その後かかるエンディングテーマ「It's a long road」で号泣するという流れがおなじみのコースです(ToT)。

ひとりぼっちのみじめなランボー。その戦いの記録を是非もう一度確認して欲しいと思います。

余談:日本にはランボーみたいなのは本当にないのか・・?
思い当たるものはどう考えても
吉田戦車のいじめてくんぐらいのものだ。ランボーといじめてくんではえらい違いだが、あれも名作で大好きな作品だ。大佐を救いに行ってひとまず終わるところなんかそっくりだといわざるを得ない(笑)


 

 

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