戦争と人間

真っ赤な左翼ドラマしかし、、


赤い度 100
理不尽日本軍度 100
資本家批判度 100
総合得点 60

日本の戦争映画は思想でかたまってて醜悪だ。
俺もそんな風に考えていた時期があって、多感な頃はこの大作ドラマが金の無駄に思えて仕方がなかったものだ。

現実にソ連が脅威として存在していた時代において、あからさまな共産主義賛美。資本家批判。露骨すぎる階級闘争史観。これが嫌いという人はたくさんいるだろう。

まあしかし、思想がアレだからとその映画のいいところ一つも見ないふりをするというのはそれもまたもったいない。これにはこれでいいところもまたあると思う。

それに階級闘争史観だが、これはこれでグッと来るものがあった。史実がどうだったとかいう話はできないが、盧溝橋事件の解釈に関しては、俺も長年中国軍が手を出してきたものと考えていたが、これを見てると陰謀好きの日本軍が開戦の口実に利用したというのは的を得ているし、その後数ヶ月で南京を占領してしまったことを考えれば、日本軍側に開戦のプランがあったことはまず間違いないだろう。手際がよすぎる。いくらでも無垢に国のことを信じられるにはおれも年をとってしまった。

また、長年、一番下で企業の走狗として安い月給で長時間働いていると、この真っ赤っかな思想がなんだかな、、魂に染み渡って仕方が無い。危険だなあ〜と思いはするが、そんなわけでわりと素直にこの映画を見通してしまった。

全三部で一作三時間!全九時間の異常な長尺。全部見通すのは相当な根性がいる。

この映画、面白くなるのは後半からで、第三部からようやく"日本の戦争"の話が始まるため、戦争映画らしくなる。基本的には赤い思想の垂れ流しと陳腐な恋愛ドラマが大部分を占めるため、正直前半は退屈に思えることもあった。

後半は日華事変にノモンハン事変と進むため見所豊富である。旧日本陸軍の救い難い新兵いじめや、異常に過酷な行軍訓練、虐殺、レイプ、放火、戦争犯罪…赤い思想につきものな日本陸軍の醜悪な部分であるが、これはこれでいささか誇張はあるだろうが、それなりに的を得ていると思う。私もこれが日本の軍隊だと思っている。それは現代のブラック企業の体質と酷似したもので、ヒエラルキーに対する無条件の服従を強いる姿勢、何でもかんでも精神論、みんながやるならおれもやる〜的体質。まさにこれこそが日本の軍隊日本の企業である。

末端兵士の命は使い捨てで、安いプライドを先行させ、負け戦を負けと認められず反省して改めることもない。これが破滅的失敗に終わった"大東亜戦争"を招来したものだと私は考えている。ラストのノモンハン事変の壮大な戦闘シーンにこれらの思想がぎっしり凝縮され、末端兵士たちの血の涙が憎悪と共に語られる。右翼の人はなぜ末端兵士の涙に頓着せぬのか?まったくおれにはわからない。
 

この本気の顔をみてほしい

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