スターリングラード(93)

涙さえ凍る戦場

うんざり度 100
鬱度 100
バッドエン度 100
総合得点 90



ジュード・ロウ主演のとは別の同名のドイツ映画です。

もうどんな映画かはタイトルが全てを物語っているので多くは語りません。

世界一の悲劇映画です。
「この世で最も美しい、涙さえ凍るマイナス50度の氷の戦場」…この概念がジュード・ロウ主演のスターリングラードには決定的に欠けていました。全く雪の降らないスターリングラードに萎えた方も多いはずですが、こちらはむしろ、「雪は無いほうがいいかな…?」って思わせてもらえるほどに、この極寒の戦場を表現している。

主演者の演技も上手い。この映画を見て「東部戦線はドイツ軍もうちょっとで勝ってたんだぞお」とか言ってる人は
頭がおかしいように思えます。個人的には第6軍の死者約25万人に哀悼の意を表して100万点あげたい気分です。

所詮戦争を知らない我々が、最も近い体験をすることができる映画ではないでしょうか。

この映画を観て思ったことは、やはり戦争映画は敗戦国が作ったほうがおもしろい、と言うか戦勝国が作るとどうしても戦意高揚愛国心養成映画になってしまって、ジャップのおれが観てもおもしろくないなということです。

この映画はナチを英雄的描き方をすれば国内から非難ゴーゴーだという背景があるせいか、大変えげつないです。ドイツ軍のほうが悪者という描きかたしてます。ソ連は被害者、みたいな描き方なので、大変自虐的です。

こういうの観てると
「君らも負けたんだよね」と同じ敗戦国として共感してしまう。それに戦争の本質というか、悲惨だが、戦場で生まれる友情の美しさや死に立ち向かう誇り高き姿には素直に感動してしまう。同じ描き方でもハリウッドだと「漫画の主役が死ぬわきゃねーわな」と冷めた目で観てしまう。

この映画は悲惨で自虐的で、いいとこまるでなしのドイツ軍を描く一方で、バカのようにお人好しな主役や、その戦友たち、その当時の生々しい兵士の心境や、決して戦争を美化しない、でも犠牲者を悼む気持ちがビシビシ伝わってきて、死ぬほど暗い気分になるが「いい映画観たなー」という気分にさせてもらえる。

ドイツ国内では大ヒットしたらしいが、わかるなー。

余談ですが、主演の
トーマス・クレッチマンはこの後、「戦場のピアニスト」などドイツ将校の役として数々の映画に登場します。特に戦場のピアニストのヴィルム・ホーゼンフェルト大尉は大変良い役で、「ヴィッツランド出世したなー」と思ってしまう。トーマス・クレッチマンは本当に男前です。後、オットーも何気なく「ラストユーボート」で出てますよ。こいつこの映画で一番好きです。

印象に残った台詞

「俺は生き残ってアンタはくたばる」
「抗議だと?総統閣下に抗議しろHAHAHAHAHA・・・・」
「ロシアの豚どもをボルガ川で泳がせてやりましょう」
「軍法会議ですか・・・?」
「アカの他人に思えた」
「階級順だ。階級順にしよう」
「豚野郎!・・・ドイツの豚野郎・・・!」
「ハイルヒットラー・・・」
「寒さはここで十分」
「星に手が届きそうだ・・・」

 

 

 

 

 

戻る