>>戦争映画中央評議会

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The Flowers Of War

正統派抗日映画

非道度

90

戦闘度

80

中国美女度

100

総合得点

75




中国で一時期話題になった日本未公開の映画。最近流行り?の抗日映画です。

抗日映画といえばだな!なんか悪い日本兵が中国娘をレイプしたりとか銃剣で串刺しにして首を跳ねたり火つけてゲラゲラ笑い転げたりでかい穴に中国人集めて四方八方から機関銃で撃ちまくってそんまま埋めちまったりむちゃくちゃやったりするようなだな!そんなイメージがあると思う(笑)。

ついこないだ話題を博した南京!南京!」という中国板「シンドラーのリスト」といったようなわざとらしいモノクロ映画がありました。あれもこないだ批評したので暇な人はみてほしい。>>こちら

この映画だが、そんな
「南京!南京!」のような抗日南京大虐殺系映画の系譜に連なる正統派?抗日映画である。上でいったような傍若無人な日本軍の姿をいかんなくみることができる…そう聞いてワタクシもワクワクして観賞にのぞんだ。

ストーリー:
南京陥落後の混乱の中逃げ遅れたキリスト教学校の女生徒たち。大人がいない中、いつ日本軍がきて彼女たちをその毒牙にかけるのか、それは時間の問題だった、、

女生徒たちはただ困り果てているのだが、そんな中、派手な化粧の売春婦たちと、アメリカ人がその教会に逃げ込んできた。アメリカ人は食い詰めものの素浪人といった人間なのだが
(クリスチャン・ベール)、神父のふりをしてやり過ごすことを思いつく。売春婦たちもかくまってもらうことになった。

敬虔な女生徒たちと売春婦たちは正反対な生き方してるからか、まあ反目もある。だが徐々にうちとけていく。クリスチャン・ベールも最初は
スケベな不良外人なのだが、真面目に女たちを守ろうと神父役をちゃんと演じる。しかし…そこにトラックに乗った日本軍が不気味なエンジン音を響かせ、大挙して押し寄せてくる…。

ううう…この子達は一体どうなってしまうんだっちゃ。。
戦々恐々し飯も喉を通らぬ中、生唾だけがごくんごくん嚥下されていく。凄まじい緊迫感…

教会の中を捜索する日本兵だが、女生徒を見つけると目の色変えて
「女だー!女がいますー!みんなー!女がいるぞー!」と大声で叫びます(笑)。
すると
「なに!女だってー!?」と続々集まってきます(笑)。そうとう飢えている様子です(笑)。

神父(ニセモノ)が
ここは神様の家なの!暴力はやめてほしいの!戦争はよそでやってほしいのおお!と止めますが、なんと無視!

本来部下を統率するのが仕事のはずの隊長まで軍刀振りかざして、
「食ぁべちゃうぞ〜!」(本当にこのセリフ)と少女を追いかけ回しています。こりゃあかん(笑)。少女は逃げ惑い、自ら高所より身を投げ床に叩きつけられ即死!もうおしまいや。。中国のみなさんごめんなさい!おれも観念したところ、教会外で戦闘音が鳴り響く。それを聞いた兵隊さんたちは、んだおらー!?敵かおらー!?と武器を担いで戦闘体勢に。敵を殺しにみんなして教会の外に出て行くのでした。。怖い。。正に戦争の権化。間一髪助かった少女と女たち。。物言わぬ一つの骸があとに残されました。。

女性キャストの美しさは本物・・素晴らしい・・

なんという日本軍の暴虐!噂で聞くよりはるかにひどい!神父は教会敷地内にあるトラックの修理のためこっそり部品を調達しようとする。街は死体の山…繰り広げられる集団レイプ・・!
今、眼前に都市の死が演じられようとしていた。。

なす術もない偽神父たちは意気消沈。そんな中、日本軍の一団がやってきて、南京占領の祝宴に女生徒たちに一曲歌を歌ってもらいたいと。彼らはそう要求。偽神父は日本軍のエロじじいに少女たちがなにされるかわからんとこれを拒否するが、そんな権限はない。問答無用に女生徒たちはその祝宴の日に連れていかれることになってしまった。

そこで売春婦たちが一念発起し、自分たちが女生徒の身代わりになることを提案。服を取りかえて女生徒のふりをする。こうして自己犠牲の美しさを歌い上げ、映画は終わる。日本軍にもいい人がいたんだし、許してあげましょう…という主張は今回はなし(中国映画ではよくみられる。こういうことをすると日本に配給される可能性が高まる)。
「南京!南京!」よりも日本人にとっては容赦のない内容であった。

レイプ!虐殺!血も涙もない皇軍!ある意味では頭を空っぽにしてのんびり観賞できる娯楽映画となっていた(なんでだよ)。けっこうおもしろかった。

戦争映画的見所は、南京防衛戦で進撃する日本軍に迎え撃つ中国軍という本格的な戦闘シーンがある。これがなかなか見ごたえありでして。とても楽しい。

中国側はドイツ式装備の精鋭部隊が。
日本側は九四式軽装甲車を軸とした黎明期の機械化(風)部隊が。正面から激突する。

94式軽装甲車

この戦闘シーンは大変見ごたえがあり、戦争映画ファンはぜひチェックして欲しいと思う(嫌味とかではない)。最終的には日本軍が勝ってしまうわけだが、ドイツ式の武装に身を包んだ中国軍の方が先進的でカッコ良く見える。もちろんそういう演出なのだろうが、これはうまい。ドイツ軍の軍服パワーはそれほど強烈なのである(笑)。

とはいえ、おれがこの映画をオススメしたい最大の理由は日本側で暴れまくる
九四式軽装甲車である。そーんなにはみない戦車だと思う。日本陸軍の戦車部隊黎明期に産声をあげたこの軽装甲車。中国戦線では各中隊に配属され偵察や連絡、歩兵との協同任務に大活躍した。つまりこの時代にこの豆戦車の原型が登場するのは史実である。

ドイツ式中国軍の描写もまあ史実だが、南京戦ではゲリラが跋扈した。この映画ではゲリラは全く登場しない。
これは史実ではない。とても重要なところである。

ゲリラがいたがゆえに日本軍はゲリラを掃討するため民間人を巻き込まざるを得なかったし、
ゲリラ掃討が大義名分となり民間人を堂々と処刑することもできた。中国正規軍もゲリラとなるため民間人から平服を略奪していたといわれる。この映画で描かれるほどには、中国国民党軍は紳士的ではなかったといわれており、民間人に対する暴力は日中双方から起こった。まあ基本的にこれらは大規模な市街戦が起こると常に起こってきたことであり、いわばよくあること。いわゆる"南京大虐殺"があったかどうかなどおれは知らん。だが都市が陥落すればゲリラが戦い、ゲリラが戦えば虐殺が起こる。これは古今東西人類が何度も経験してきたことである。

話を戻したい。
史実がどうであろうと、中国側は日本軍を極悪に描きたいというのはいまさら驚くに値しない。感情的に不快になる描写は随所にあり、とても知的な映画とは言えんが、頭空っぽにして楽しめる娯楽映画にはなっている。渡部篤郎がちょっと出るのだが、本当にちょい役。特に重要な役割とも言えない感じであった(笑)。

まあ中国人民が、どんな映画をみて我々に対し憤っているのか、件の「南京!南京!」と本作を観ればおそらく誰でもわかるであろう。
これらはyoutubeで無料で簡単に観ることができる。英語字幕もある。辞書を持ってぜひ観賞してほしい。

 

 

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