>>戦争映画中央評議会

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沈黙の戦場

個性的なボスニア紛争映画

 

陰鬱度

100

個性度

100

ホラー度

70

総合得点

80


2007年クロアチア映画。

ボスニア紛争のお話だが、これは相当個性的な作風。こういうのは個人的に好きである。

1993年のボスニアでのクロアチア軍視点と、1943年のクロアチア独立国軍視点の戦場が交互に挟まれて物語が進行する。

無関係に見えた二つの物語だが、徐々に不気味な交錯点を迎えることとなる。

 


まあ、もう少し衝撃的な事実がそこにあればよかったのだが、さほどでもなく(笑)。

尺は短く、90分に満たない。みやすいから長いよりはいいが、銃撃戦等のクオリティはなかなかリアリティがあって良かったので、もう少し観たかったなあと珍しく思いました。

93年パートは、クロアチア軍の敗残兵数名が本部撤退に伴い、自力で敵の追撃を振り切ろうと奮闘するお話。無名俳優ばかりだが、なかなかキャラがたっており、感情移入もしやすかった。森林での見えない敵との戦闘は「プレデター」を思わせる。

43年パートは、≪武装ウスタシャ≫※とみられる将校さんと、超やる気ないクロアチア軍の視点で話が進む。正直この人たち、何をしようとしてるのかわからず、とりあえず厳格なウスタシャ将校に無理やり駆り立てられて、どこかへ向かっているのだが、どうもそこは現代パートでも辿り着く「墓地平野」という場所らしい。

 ※ナチ傀儡「クロアチア独立国」の秘密警察本部「ウスタシャ管理局」の武装部門。武装SSを真似たといわれている

まあその「墓地平野」に辿り着くと両パートで戦闘シーンが激しくなっていき、ずっと昔から激しい戦いが行われた因縁の場所であることが示唆される。

で、割とラストはアッサリしているが、見所は多い。

ウスタシャによる捕虜の処刑シーンが後味が悪くて良い。

演出も及第点。安っぽさを極力抑えた絵作りはけっこうな実力を感じさせる。

ボスニア紛争といえば、なにかと民族浄化がテーマに含まれるし、含まれない純粋な戦争アクションってちょっと珍しいのだが(ハリウッドにはあるけど)、この映画は重苦しく陰鬱で、不気味でホラーちっくな演出がちょっと怖い、、生つばゴクリとしながら、ラストどうなってしまうのか最後まで集中して観てしまった。

ボスニア紛争やナチス傀儡時代のクロアチア独立国に興味がある人はそれなりに楽しめると思う。ウスタシャ将校の軍服が映像化されているのは珍しくて良かったですねえ。

しかし、以上のような解説は映画ではほぼ語られないため、前知識なしで観るとかなりツラいだろう。上級者向けの戦争映画。

 

 

 

 

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