チェチェン・ウォー

いかにもおざなりな邦題に騙されないで

アウトロー度 100
悲惨度 100
社会派ドラマ度 100
総合得点 80

ロシアの映画。チェチェン紛争を舞台にしている。

この映画は変り種で、途中までは戦争映画とさえ言えそうにない社会派ドキュメンタリー風な雰囲気が漂う。ロシア軍に入隊して後わずかで除隊というところで捕まった古参のロシア兵は、ロシア政府が捕らえたチェチェンゲリラの人質解放と引き換えに釈放されたのだ。英国人は妻を人質に取られて200万ポンドという大金を集めて戻ってくることを引き換えに釈放される。期間は2ヶ月で、それまでに戻ってこなければ輪姦して首を斬ると言い渡される。英国人は必死で各国に窮状を訴え、200万ポンド集めようとするが各国はテロには屈しないというおなじみの姿勢で冷淡にあしらう。困った英国人はメディアに協力を頼んで救出までの過程をビデオで詳細に記録することを条件に金を負担してもらう。こうして英国人は、もう一人の主役であるロシア兵と一緒に無謀ともいえる潜入活動を開始するのだ・・・。

ちょっとわかりにくかったかもしれませんがストーリーはこんな感じですね。結構複雑な話でした。特筆すべきは、まず一つ目はチェチェンゲリラの残虐さです。おなじみの首切りや指きり、耳きり、喉きり・・・とまあ斬って斬って斬りまくり。拷問しまくりレイプしまくりである。しかもそれをアラーの神の名の下に堂々とやるのだから、アラーとは素晴らしい神である。コーランでは人質から金品を強奪したり、首を斬ったりするのはむしろ望ましいこととして奨励されているそうである。素晴らしいですね。ビバ!イスラム!まあそれはいいとして、これはけっこう面白い映画でした。とにかく主役のロシア兵が超カッコイイですね!序盤は人質だったからひどい扱いを受けていて、後半の復讐劇でははじけまくりで血が熱くなります。容赦なくぶっ殺しまくりです。女だろうが子供だろうが老人だろうが容赦なく出会いがしらに銃殺、爆殺なんでもござれ。顔はグチャグチャ、内臓ドロドロ、他にも家族を人質にとってゲリラを奴隷にするなど、思わずこちらもアウトローなキャラクターにニヤリとさせられます(^^;)。しかもそれを正当化しない、皮肉でイキなラストが更によい。

もっとロシアびいきに描かれてるかと思いきや、めちゃくちゃ公平でした。未だ戦時下だというのにチェチェンもロシアもどっちもひどいところがあるってことを平等に筆致した勇気には賞賛を送りたい。このチープな邦題に騙されるとただの三文映画のようだが、社会派兼アウトロー系戦争映画として今までに観たことのないタイプの良作だったと思います。エンターティメントとしてもチェチェン紛争のお勉強としても活用できるかなりお勧め戦争映画である。

あと、数は少ないのだが、銃撃シーンもかなりリアルです。今まで観た戦争映画の中では一番リアルかもしれません。とにかくRPG7などのロケット弾の弾道や爆発がすごいリアルです。本当に撃っているかもしれないと思うほどです。また銃で撃たれた時の人間の反応などもかなりリアルです。ショットガンで背後から撃たれた時のゲリラのぶっ飛び方なんて、これだけでも観て欲しいですね。かなりいいぶっ飛び方です。思わず笑みがこぼれます。

この非情な戦場では殺さなければ殺されるという倫理がかなり徹底されていて、銃を持ったものが銃を持たないものを好きに扱ってよいという道徳が完全に形作られている。こんなところで生まれなくて良かったなあと心から思いました。映画で観る分には楽しいのだが・・・。これが今でも続いている戦場かあ・・・。

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