>>戦争映画中央評議会

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アンダーグラウンド

 

そんなに楽しいもんだったのか?

 

眠い度

100

うるさい度

100

なんか違う度

100

総合得点

40


95年のフランス・ドイツ・ハンガリー映画。
ユーゴスラヴィアの歴史を語る群像劇のような映画だ。

第二次大戦中、ドイツ軍がベオグラードになだれ込んでくるところから映画が始まり、長い占領時代を経て、チトー時代、チトー死後の絶望の内戦期と網羅的に語る。
全3時間ぐらいある。
相当ユーゴが好きじゃないと観きれないと思う。

ワタシはボスニア紛争の悲惨さに一時期心を奪われていた時期があり、また「石の花」という漫画のファンなので、ユーゴという国には大分興味がある。だから観とおせたが、けっこう忍耐力がいる類の映画だと思う。

音楽がやかましくてとにかく強烈。はっきり言って不快だし感情移入できない。
あと、コメディタッチで深刻な話なのにギャグにしちゃうわ、例の不快な音楽でどんちゃん騒ぎにしちゃうわで、こういう演出ははっきり言ってキラいよアタシ。

あと例によって凡庸だなあ、と思うのが、占領者であるドイツ軍が超間抜けに描かれていることだ。
嫌いだしアホ扱いしておちょくりたい気持ちはわかるけど、それはヒトラーやナチスの陳腐化につながる危険な罠だ。



東欧映画に登場するナチスのお間抜け率は相当高く、これじゃあ何が恐ろしかったのかとか全然わからない。
こんな間抜けな連中に4年も占領されてたキミらのほうがバカだよねえ?ということになる。ぜひもう一歩進んだ演出を願いたいものである。

それにチュトニクやウスタシャが全然出てこないのもおかしいとしか言えない。
彼らは占領されても一つにまとまることができなかったのである。あまりに民族・文化・宗教が多様すぎて。
そこに目を付けたドイツ軍は、内ゲバを煽って占領者に立ち向かえないようにした。クロアチア独立国を擁立してあからさまに優遇してねえ。

各個は勇敢で忍耐強い民族で組織力も高いが、無残に内乱に巻き込まれて結局単独でドイツを追い払うことはできなかった。ソ連がいたから追い払えたのである。

この映画を観てもその辺の内幕はまったくわからないと思う。つくづく映画で歴史をお勉強するなよ、という教訓を思い出させられる。

さて、ドイツ軍へのコメディめいた抵抗の様子はあくびもので、2回ぐらい寝てようやく全部観れた。
その後は共産時代、内戦時代となる。

共産時代もギャグが滑りまくりで特別何も言うことはない。
内戦期に入ると、一番悲劇が身近に思い出させられるからか、さんざんギャグをやってた登場人物たちがあっという間にお互いに戦いをはじめ殺しあう。ここはシリアスに描かれており、ナチス時代、共産時代と一つだった民族が、殺しあうなんて、、なんて大きな悲劇なの?!と言いたいのかねえやっぱり。

でも上で既に述べたように、ユーゴスラヴィアが一つにまとまれたことなどほぼない。

ナチス時代は上記のとおりだし、共産時代は過去の歴史を堀りかえすことを禁じており、強烈に思想統制していた。臭いものに蓋をしていただけ。憎しみは何十年にもわたってくすぶり続けていたのである。だからこそチトーが死んだらすぐ内戦が起こり、お互いの全存在を消し去るかのような陰鬱な殺し合いが21世紀手前に起こり、結局ユーゴは解体され分裂してしまった。そしてその憎悪の系譜は今でも受け継がれ、内戦の火種をはらみ続けている。

というわけでこの映画は、ユーゴの歴史に関してあまりに楽観しすぎていると思うし、勘違いもあるように思う。
まあ、ボクの個人的意見で、この映画をdisってる人なんかいないけどさ。。みんなほめたたえてるよ。

おれは上のように思ったからあまり好きではない映画です。まだアンジーの「最愛の大地」の方が好き。「ボスニア」にも全く及んでない。「セイヴィア」なんかとは比較さえできない。残念な映画です。


 

 

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