T-フォース地下要塞制圧部隊

ボル様の戦争映画

トンネル度

100

鬱な展開度

100

流血度

100

総合得点

70


 
我らがウーヴェ・ボル総統閣下様の2008年の映画だ。
ベトナム戦争を描いている。1968年が舞台のようだが、史実に基づいているのかはわからない。ボルのことだから中途半端に史実を取り入れているとは思うが、、、ワタクシはよく知らないのだが、ベトコンや北ベトナム軍が攻勢によく使用したという地下トンネルを制圧するための「トンネルラッツ」という部隊が実在したそうである。これはどうも本当のようです。

wikipedia「tunnel rat」



ボル総統は時々戦争映画を作るお人で、ダルフール紛争を描いた映画やアウシュビッツを描いた映画などあるが、大変にその時々で両極端な出来栄えである。共通しているのは全部低予算ということか。また戦争犯罪や人道上の問題に好んで触れる姿勢も共通している。

この映画、滅茶苦茶駄作だとは言わないが、いまいちパリッとしない映画で、中途半端な仕上がりだ。悪いところばかりではないが、手放しに誉めることもできそうにない。一番の難点はこの不条理な作戦にいったいどれほどの戦略上の意味があったのかぜんぜんわからないことだ。アメリカ軍もすごく少数でハイテク機器などをほとんど使うこともなく、ゲリラや北ベトナム軍と同等かそれ以下の装備で戦っている。となれば地元で網張ってるゲリラや郷土軍にそうそう勝てるものでもないのは最初からわかりきっており、このような無茶な作戦を断行した上層部の思惑などには全く触れてもないのでなんだか納得がいかない。「適当な考証でやっちまったんじゃねえか?」と疑いの目で見てしまうのだ。だってボル総統だもん。。

とまあ、ストーリーも説明せずにいきなりこんな愚痴を書かれてもわけわからないだろうが、ストーリーは語るほどのものでもなく、素人くさい米軍部隊(どう多く見積もっても中隊規模)がベトナム軍の掘った罠だらけのトンネルに侵入してボロクソにやられちゃう、というだけのものだ。調子こいて攻めていたらベトナム兵の反攻を受け本陣を攻め落とされてしまう。んで、隊長は自分とこの陣地に空爆要請をして自分で自分を爆撃してみんな死んで終わりというとんでもなくシュールなお話だ。

見所はアメリカ兵が色とりどりの様々な方法でベトナム側に虐殺されてゆくサマをアリーナで観ていられるところだろうか。竹槍で首を刺されたり、罠にはまって血まみれになったり、水で溺れ死んだり、銃殺、爆殺、焼殺、刺殺といった感じでなかなかにバリエーションに富んでいると言える。軍事的リアリティは大したことはなく、どちらかといえば田舎を冷やかしに来た大学生グループが地元の変態肉屋に一人ずつ殺されて行く、、、といったようなナンセンスホラーの構造に似ていて、ゴア描写も過剰なまでに血が多く、武器の破壊力も現実に即しても大きすぎる点が難点として挙げられる。

ベトナム軍側も姿の見えぬわけのわからない悪役として描かれるのが普通だが、ボル総統がドイツ人だからか、やけにこの辺の視点は公平だ(笑)。特別アメリカ兵が強いこともなく、ベトナム側が圧倒的に強いわけでもなく、どちらかが無双し過ぎでなんだかボクしらけちゃった、ということはこの映画ではないと断言したい。

もう一つ難点はキャラクターが全部薄いことだ。この映画は序盤の会話シーンが30分ぐらい続きダラダラと長い割に、登場人物一人一人の印象が大変に薄いまま映画が終わってしまう。どうせ薄いままなんだからダラダラしてないでさっさと冒頭にでも戦闘シーンをむやみに突っ込むとか、なんか工夫しないとすぐみんな観るのやめちゃうんじゃないでしょうか。そんなわけでこの辺はだるい。

戦闘シーン、主に拠点を急襲してくるベトナム兵との銃撃シーンだが、これは手ぶれカメラでなかなか迫力あるのだが、なぜかあまりイマイチのれない。なぜかはわからないが、やはりキャラの印象が薄すぎることが原因ではないだろうか?状況もよくわからないし、ベトナム側や米側のそれぞれの部隊の規模も全然わからないからポカーンと観ているしかない、何ともストレスフルな戦争シーンだ。まあまあ迫力だけはあったと思うので、暇な人は観てみてください。

 

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