戦場でワルツを

82年のレバノン侵攻を描いたイスラエル製アニメ


サスペンス度 100
しんみり度 100
映像美度 100
総合得点 80

非常に個性的アニメである。イスラエル映画。

ストーリーは、82年のレバノン侵攻に従軍した元兵士が、当時の自分の記憶がすっぽり抜けていることに気がつく。そこで、元兵士のおじさんはかつての戦友たちを渡り歩いて当時の自分の記憶を復元しようとするが・・

謎に満ちたサスペンス映画として観れる本作。終盤の見せ場までテンションを落とすことなく美麗な映像を駆使して観客を楽しませてくれます。

兵士は記憶を失っているので、当時のレバノン侵攻の話を他の元兵士たちにインタビューして当時の記憶を探っていく。その過程で戦争の実態と残虐なパレスチナ難民キャンプでの虐殺の様子などを色鮮やかなアニメでみせてくれる。

ラストは、(
ネタバレ→ドラッグすればみれます不意に映像は実際のカラー映像に切り替わり、泣き叫ぶ女性や殺されてうずたかく積まれた無残な死体や子供まで虐殺の手から逃れることができなかったことを示し、終わってしまう。

主人公がこの恐ろしい戦争でどのようなことをしていたのかは、実際に映画を観て確かめて欲しい。

この映画は結局のところ、悪事に加担したイスラエル軍を批判する自己批判の映画だと思いますけれども、イスラエル軍の描写がきれい過ぎると批判があるそうだ。確かに虐殺には直接関わってないなんて若干言い訳がましい雰囲気はあります。まあでもそんなもんでしょう。誰もがそんなものに加担したなんて思いたくもないでしょうし。

実際難民を数千人虐殺していたのは、当時イスラエル軍と共闘していたファランヘ党の犯行だが、イスラエル上層部は虐殺が行われているとよく知っており、夜も滞りなくお仕事できるように彼らのために照明弾を上げ続けていた。前線の兵士は知ってか知らずか命令どおりにやるしかない。軍隊は命令で動くからである。この絶対の真理をたがうわけにはいかない・・



この映画はこのシルクスクリーン調のアニメで描かれていなければ、ここまで魅力的な映画にはならなかったでしょう。普通の実写ならおれは寝てたかもしれん・・。すごくきれいなアニメで、萌とかはないけどおれは日本のアニメよりこういうのの方が好きかもしれないな・・おしゃれで大人っぽい感じです。元々シェパード・フェアリーのファンでして、こういう絵柄をカッコいいと思ってしまう属性が自分にはあるもんですから、ちょっとほめ過ぎた気もするけど、個性はあるのでチェックしてみてください。



Shepard Faireyのプロパガンダ風ポスターです。
カッコいいなあ。

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