鷲は舞い降りた

素直にスコルツェニーが好きだって言えよ

お間抜け度 100
男の美学度 100
邦題カッコイイ度 100
総合得点 70

 英国映画で、大変評判の良い映画です。70年代の映画なので、テンポは遅いし、演出も寂しい感じがしましたが。

 なにより戦闘シーンも少ない上にあまりかっこよくないです。

 ストーリーは、オットー・スコルツェニーの武装SS空挺部隊がムッソリーニ救出を成功させた背景で、英国首相チャーチルを誘拐、もしくは抹殺しろという指令を受けた空軍の精鋭部隊が秘密裏に英国に侵入するのです。話し自体は大変興味深いのですが、これはあまり共感できる映画ではなかったです。


 なぜなら、この映画は
ナチスで悪いのはヒトラーやその親衛隊で、国防軍は全く関係ない、むしろ犠牲者
という描き方をしているからです。

これは全くの偏見で、ユダヤ人差別してたのはSSも国防軍も変わりないです。国防軍が虐殺してたというケースさえあります。このような責任のなすりつけは卑怯です…と故パウル・ハウサーSS上級大将が言っておりました。


 しかもこの映画は、「本来悪役でなければならないはずのナチスの軍隊」を主役にしているので、まず主役が「ドイツ軍の中でも異例中の異例のユダヤ差別をしないナイスガイ」であることを強調するために、初登場するなり、いきなり親衛隊に追われているユダヤの少女を
後先考えずにかばってしまいます。

 当然SSに
「お前何ユダヤ人かばってんだ!」と責められます。

 すると主役はこう答えます。
「そんなことは知らない。少女が殺されようとしているのを黙って見過ごせないだけだ」と。

 かっこつけすぎではないでしょうか。だったらチャーチルじゃあなくヒトラーを殺りに行ってほしいものです。そんなこと親衛隊の前で堂々と言うドイツ軍人がいたでしょうか?これはドイツ人の俳優ではなく、言葉も英語なので余計安っぽい偽善ドラマのように感じるのです。観客に気に入ってもらおうと、
「この人はユダヤ人を差別しないんデース」と媚びているではないですか。

 この後、このドイツ軍人は部下もろとも処刑されそうになってしまいます。実際部下の半分は殺されました。

こんな
後先考えないがよく今まで生きてこれたなと感じます。こんな後先考えずかっこつける奴が隊長で部下もかわいそうです。殺された部下には、わびてもわびつくせないはずです。自分のかわいい部下より見知らぬ少女の方が大事だというのでしょうか。呆れてものが言えません。

 他にも似たような場面があります。

イギリスに侵入する際にポーランド兵に化けるのですが、ポーランド軍の軍服を着て、その下にドイツ軍の軍服を着ます。これは
「見た目はポーランド兵だが、心は最期までドイツ軍人だ!」という一見かっこいい信念に基づいた行動のように思えます。

しかしイギリスに侵入した後、またまた
後先考えずにおぼれている少女を救ってしまうのです。そして濡れて着衣が乱れて、下に着ているドイツ空軍の軍服を周りの人々に見られてばれてしまいます。

これには呆れました。プロフェッショナルなドイツ軍人のはずが、後先考えずに溺れている少女を救って周りに正体をばらしてしまうとは。

こんな奴らがプロの軍人だなんておれは認めません。この作戦は戦争終結を早めるためのものだったはずです。

祖国より溺れている少女の方が大事だったんでしょうか?

後先考えずに少女を救うというのは確かにけっこうかっこいいです。しかし、冷静さを求められるプロの軍人が、極秘任務中にこんな失態を晒すとは…。

こんなプロ意識のないのがドイツ軍人とは納得できません。これは評判ほど良い映画とは思えないです。確かに男気溢れる役柄でしたが…。

冷静さを求められる軍人としては不適格というしかありません。

 …と私は感じました。





 

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