ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火

謎の個性派ロシア映画

ニュータイプ度 100
ガンダム度 100
摩訶不思議度 100
総合得点 50


2012年制作のロシア映画である。

改造T-34と改造Y号戦車(ティーガー)の対決を描くアクション戦争映画だ。どちらかといえば古いタイプの戦争映画で、昔ながらのヒロイズムさえ感じさせる作風。

ストーリーは独ソ戦中期。
"白い悪魔"と呼ばれる正体不明の謎の改造Y号戦車にソ連軍は苦しめられていた。ヤツは抜群に強く、神出鬼没の機動力、厚い装甲、反則じみた88ミリ砲で次々とソ連軍戦車隊を屠っていた。そこでニュータイプのような超能力を持った戦車兵が選りすぐりの部下と改良型T-34を与えられ、"白い悪魔"と対決するのだ。

こう書くと
ぬぐいがたいほどのガンダムの影響に気づかされるが、戦争映画で戦車兵がニュータイプであったという事例はちょっと思い当たらないが、この映画は紛れもなく超常の力を持った戦車兵がいて、彼が主人公なのだ。

"白い悪魔"の方も神出鬼没で、例えば沼を平然と渡ってきたり急に消えたり現れたりする。弾は無限であるかのように撃ちまくるし、こちらがいくら応射しても撃破できない。例えば兵站がどうなっているのかとか全くわからないし、捕虜を問い詰めても誰もその存在を知らないのだ。劇中、ニュータイプの主人公と謎のY号戦車の正体がサスペンスとなる。

戦闘はなかなか火薬量多く、迫力があるとは思うが、やはり当時の戦車がガチンコで一対一で戦うというのはちょっとのれないものがある。普通は歩兵が支援するものだしそんな状況わざわざ招いてどうすんだとも思うし、改良型T-34は走行中にも砲撃できるという特殊能力があるが、あまり再現されていなかったように思う(笑)。

Y号戦車の装甲は化け物で何をどうしようがビクともしないし
、旅団規模の機甲部隊を射程外から一方的に砲撃するという戦艦大和的な戦い方も確認できた(笑)。

ここまで来るともはやトンデモである。もちろんこれはワザとやっているのだろうが、ノれるかノれないかは正に人によるであろう。

さて、この怪物Y号戦車の正体は?と気になるところだが、

以下ネタバレ














残念ながら明らかにはされない。謎のまま終わる。

ラストの砲撃戦で相打ちに終わり、搭乗員が戦車から降りて拳銃を撃つシーンなどはアムロとシャ……もはや何も言うまい(笑)。


そこで取り逃がしたお化けY号戦車だが、ベルリンを占領し、終戦協定を結んだのだが、それでも正体は明らかにされない。謎のまま終わる。

ニュータイプももちろん謎のまま終わる(笑)。

それはもういいのだが(笑)、終戦協定の際にしゃくれ顎のヴィルヘルム・カイテル風の元帥が登場するのだが、彼の軍服は大層美しい(笑)。フローズンベリーを食うシーンなど悶絶する(笑)。独軍ファンとはこういうものなんです(笑)。エスパーも超戦車もいらないの(笑)。


ネタバレすると
お化けY号戦車はどうやらドイツの侵略精神を具現化したような観念的存在で、それは主役の「20年50年100年たとうとも奴は必ず蘇って我々の前に現れます…」というセリフに表れています。こう書くとナチスはヨーロッパでは大魔王のような存在なのかもしれん。しかしかの名言「諸君、あの男の敗北を喜ぶな。世界は立ち上がり奴を阻止した。だが奴を生んだメス犬がまた発情している」とのベルトルト・ブレヒトのセリフも似た何かを語りかけてくる(笑)。

というわけでオシャレに終わる本作だが、ロシア映画のくせにY号戦車が好きでしょうがない感じなど漂い、一般的にはわけわからない変な映画ということで省みられることすらないだろう。暇な人は観てみてほしい。


 

 

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