南沙諸島問題

 中国現るところ乱あり、と言うように南シナ海とて例外ではない。
 南沙(スプラトリー)諸島と呼ばれるサンゴ礁は、中国、ベトナム、マレーシア、台湾、フィリピンなどの国境線が複雑に絡み合っている。しかも埋蔵量200億トンとも言われる大油田とガス田が発見された宝の山を、各国が領有しようと躍起になるのは無理もないこと。
 しかも、南沙諸島は世界有数の海運ルートで、世界中の物資が通過する通商ルートでもある。南沙諸島は軍事的意味も大変大きいのである。

 南沙諸島…100以上のサンゴ礁や小島などからなる諸島で、一番大きな島でも0.4平方キロメートルしかない。この宝の山に初めに目をつけたのはご多聞にもれず我が国である。リン鉱石の発掘を目的に1939年、新南群島として領有する。しかし、大東亜戦争に敗れ、1951年、サンフランシスコ平和条約にて領有権を放棄してしまう。領有を放棄した際に次の持ち主をはっきり決めなかったものだから今現在は紛争地域として各国がしのぎを削って争っている。

 1970年末、ベトナムが南シナ海沖に油田を発見(バホー油田)、1974年には早速中国が南ベトナムに進軍し、西沙諸島を占拠。この場所は南沙諸島へ進出する重要拠点となり、要塞化される。1979年には、ベトナム本土へ人民解放軍が侵攻(中越戦争)、アメリカさえ追い払ったベトナムが中国などに負けるはずもなく、人民解放軍はあえなく敗退する。1982年に国連海洋法条約が制定され、沿岸国に大幅な海洋資源の権利が認められるようになってから争いは激化。他の沿岸国も領有権を主張するようになった。ベトナムと中国も競って南沙諸島の小さな島々を一つ一つ占領していった。まさに早い者勝ち状態である。
 中国は南沙諸島の海域に複数の軍事施設を建設し、1992年には一方的に南沙諸島の領有を宣言する(中国は尖閣諸島だけでなくどこでもこうである)。
 台湾やフィリピンなども少数ながら島を領有し、中国船にフィリピン軍が威嚇射撃を行うなど、中国の思い通りには行かない。
 ASEAN(東南アジア諸国連合)会議にはアメリカが仲介役で登場し、中国をけん制するためにフィリピンやベトナムに軍事要請を申し出る。中国は当然猛反対する。フィリピン以外のASEAN諸国も地域内解決を主張している。
 元々この紛争はフィリピン駐留の米軍が撤退したことで力の空白が生じ、中国が増長したため起きたと考えられており、米軍が介入するのが、最もこの地域の安定に役立つと思うが、これ以上アメリカに石油をやりたくないという各国の思惑が透けて見える。

 日本もフィリピンやベトナムに巡視船を供与しています。


美しい島なのにね 残念ですね

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